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今月は新聞の記事から 1.税効果会計について。 また新聞折込みの求人チラシから 2.人件費の変動費化について。 考えてみました。 1.税効果会計と自己資本比率
インターネット社会におけるサービスのあり方、そのチャンスとリスクについて考えます。
◇日本人のモラルは低下したのか。 今回の返金騒動を知ったときは、日本人のモラルがここまで低下したのかと情けない思い がしました。偽表示をした西友は勿論責められて当然ではありますが、それを逆手に取って、買ってもいない肉を何万円分も買ったと申し立てて西友からお金を貰おうとした人達がかなりの人数いたという事実をどう受け止めれば良いのか。日本人のモラルがそれ程に低下したということなのでしょうか。「衣食足って礼節を知る。」という言葉は昔からありましたが、この不況で人心が荒廃しているためなのでしょうか。 そう言えば、最近、弁護士さんを紹介して欲しいとお客様から頼まれることが増えました。トラブルが増加している証拠ではあります。 ◇ ネット社会のこわさ 騒動の主役はどうも10代〜20代の若者だったようです。インターネットの掲示板に書き込まれた情報が広範囲の若者の知るところとなり、それがまた携帯電話を通じて広がっていったようです。その結果が、普段店内では見かけないような若者が返金を求めて遠方から店に押しかけるといった異常事態となったのです。 今までは地域に限定されていた噂が、ネットを通じて広範囲の不特定多数の人々に、当事者の知らない所で、当事者の知らないままに猛烈なスピードで広まっていき、一たびネット上を動き出した噂は止めようがないというネット社会のこわさです。 しかし、それは同時に地域的限定を受けていた商圏が、ネットを通じて大きく広がる可能性を持っているということの裏返しでもあるのです。 ◇サービスのあり方は変わったのか。 あの有名なノードストロームの逸話 顧客サービスのあり方について論ずるとき、必ず引用されるのがあの有名なノードストーム(アメリカの高級デパート)の逸話です。 その逸話とは、“どんな商品でも理由の如何を問わずに返品を受け付ける”というノードストームの方針を試そうと、一人の顧客がタイヤは売っていないノードストームの店舗にタイヤを持っていき返品を請求。これに対して、ノードストームの店員はその顧客にタイヤの値段を尋ねた上で、その金額を返金したというものです。この真偽は確かめようもありませんが、顧客サービスの徹底した姿勢を物語るものとして語り継がれています。 今回の西友がレシートの無い顧客に対しても、本人の申し出により返金したと聞いたとき、私はすぐにこのノードストロームの逸話を思い出しました。 しかし、現実は逸話のようにはいかず、レシートも無く返金した西友の対応に対して、混乱を予想できなかった店側を非難する声が多かったのです。 ◇お客様は神様か。 「お客様は神様です。」というのが顧客サービスの基本とされ、お客様の言われることであれば、理不尽と思われる要求であってもそれに応えるのがサービス。お客様の言われることは正しいものとして誠心誠意対応するのが顧客サービスのあり方だと言われてきました。 ところが、今回の西友の返金騒動を見ていると、果たして無条件に「お客様は神様です。」という対応をすることが本当のサービスになるのだろうかと思えてきます。 ◇ ディズニーランドのサービス 1983年にディズニーランドが開業してから20年近くが経とうとしています。開業のとき、「お弁当禁止、アルコール禁止」という入場条件に誰もが驚き、不満を口にしたことを覚えています。なぜならば、それまでの遊園地と言えば、“家族がお弁当を持って”というスタイルが当たり前だったからです。 その日本で、お弁当禁止を言い出したのですから、アメリカのわがままだと思えたものです。日本には日本の文化があるのだから、お弁当持参を認めるべきだというのが、神様であるお客様の声だったのですが、その声には全く耳を貸さなかったのです。 それはなぜだったのでしょうか。ファンタジーワールドであるべきディズニーランドに、現実の生活の臭いを持ち込んではならないというポリシーなのです。ファンタジーワールドを楽しみに訪れるお客様のために、生活臭さを持ち込むようなお客様の行動は制約するのです。 当初反発を受けていたディズニーランドのこういう姿勢は、やがてはお客様の理解と支持を受けるようになりました。今や逆に、こういう規制があるからこそ、ディズニーランドの良さが保てるのだと支持されているのです。 ここに、顧客サービスのあり様が見えます。無秩序にお客様に迎合するのではなく、ポリシーを持ち、そのポリシーに裏打ちされた制約は、価値を共有するお客様からは支持されるということなのだと思います。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
「中小企業経営革新支援法」ってご存知ですか。今、国や東京都はこの法律の下に、やる気のある中小企業の経営革新を支援するため、各種融資制度や助成制度を設けています。新規事業を始めようと思っている社長さん、設備投資を考えている社長さん、事業転換を考えている社長さん等、まず自社に該当するものがないかどうか検討してみる価値があると思います。 事業転換するにも資金が必要です。 経営革新支援法による施策や、各種中小企業支援策の活用も ◇「中小企業経営革新支援法」って何? 「頑張る中小企業を応援します。」一言で言えばそんなキャッチフレーズがぴったりするような趣旨の法律です。 「この法律は・・・中小企業が行う経営革新を支援するための措置を講じ、あわせて・・・ 中小企業の創意ある向上発展を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」(同法第1条)ものです。 ◇この法律による具体的支援策は 支援策としては以下のとおりです。 1、 中小企業経営革新補助金制度 2、 中小企業金融公庫等低利融資制度 3、 高度化融資制度 4、 各種税制措置 5、 商店街活性化事業用保証協会による信用保険の特例 6、 中小企業投資育成制度の特例 7、 新規事業開拓促進出資事業 8、 雇用対策臨時特例法 9、 新規・成長分野雇用創出特別奨励金 10、 小規模企業者等設備導入資金助成法の特例 詳しくは中小企業庁のホームページをご覧下さい。URL http://www.chusho.meti.go.jp/ 中小企業庁相談室 TEL 03-3501-4667 この支援策を受けるためには,手続きに従って「経営革新計画」を作成して東京都知事等に提出し、承認を受ける必要があります。窓口は多くは東京都産業労働局です。しかし、案件によっては提出先が国の地方機関等が窓口になることもあるので、まずは東京都産業労働局に問い合わせて相談するのが一番良いと思います。 連絡先 東京都産業労働局 商工課 経営革新課 TEL 03-5320-4781(直通) 「経営革新計画に係る承認申請書」は東京産業労働局のホームページからダウンロードすることができます。 http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/ 産業労働局では詳しく説明してくれますので、先ずは相談されるのがよいと思います。 ◇助成金と言えば厚生労働省 雇用保険の財政悪化が言われ、保険料が引き上げられている原因の一つが補助金・助成金のばら撒きなのではないかと常々考えておりますが、とにかく種類が多く、申請も煩雑です。人がらみの助成金はそれを専門に行っているコンサルタントも多い分野ですので、プロに頼んでしまうのも一案です。社会保険労務士の団体が多く扱っております。 インターネット上で「助成金」で検索すれば、沢山出てきます。 助成金の良いところは貰いっぱなしで、返さなくてよいことです。その点、低利融資制度とは異なります。先の経営革新支援の場合は多くが融資制度です。 しかし、助成金があるからと、必要もない物を買ったり、給料を大盤振る舞いするのは危険です。あくまで、自社で行おうとしていることに対して、○○の助成金が使えるという使い方をしたいものです。 ただし、各種支援制度は、まず計画をし、その計画書を所定の役所に提出し、承認を受けてから、計画に基づいて人を雇い入れたり、必要な支出をしたりするというのが原則なので、雇ってしまってからとか、お金を支払ってしまってからでは、間に合わないということが起きます。 中小企業の場合には、社長さんが意思決定したらすぐ行動に移される場合が多いと思いますので、半年も前から計画して申請して、その計画通りに人を雇い入れて・・・といった手順を踏む余裕がないのが実態でしょう。 不正受給が多い原因の一つには、その辺りのことも関係しているのではないかと思います。 最近の中小企業支援策の特徴 今までの中小企業支援策と言えば、弱者救済、保護の視点で行われていた施策が多かったのですが、最近の傾向としては、意欲と能力のある中小企業を支援して、成功事例を作りたいという当局の意向が感じられます。 金融機関で、護送船団方式からの脱却という言葉がよく使われましたが、中小企業においても、やる気と力のある会社に対して効率的に支援するという方向に変わってきています。その結果として助成金にしても、同じ会社が次々と様々な助成金を活用している状況が生まれています。本業では赤字だが、助成金のおかげで黒字になっているという会社もあります。補助金・助成金が会社の業績に大きな影響を与えつつあります。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
今月は会社経営を行っている私たちの周囲で起こっているデフレ対応、既存概念を打破するマネジメントモデル、金融機関の変化について考えます。 環境の変化への対応 1 変化に対応する @ 日本マクドナルドのハンバーガー、値上げ後の値下げ 日本マクドナルドがハンバーガーを1個59円に値下げしました。低価格競争は終わったと言って値上げしてみたものの、対前年比二桁の売上高減少に、消費者の低価格志向は強いと判断しての方針転換です。 これに対して、一度半額セールを止めて80円にしたハンバーガーの値段を、また値下げするのは経営者として如何なものかとの意見があります。しかし、私は意思決定を間違えたと思ったらやり直せば良いと思います。間違いを犯さない経営者なんていないのです。要は失敗だと思ったら、すぐに次の手を打つことです。多くの経営者が始めてしまったことはなかなか止める決断がつかずに、損失を拡大させてしまう場合が多いのです。 A ゆでガエルにならないために 経営のカギは2つのスピード お客様のニーズは日々変化します。取引先も変化し、取引条件や取引構造も変化しています。それに対して会社の内部は放っておくと何年でも変わらないようです。人間は保守的で基本的に変化を嫌いますから、よほど社長さんが意識的に変化させようとしないと、惰性の中で漫然と過ごすことになってしまいます。 熱湯に入れられれば飛び出すのに、社内のぬるま湯の中でいつの間にか「ゆでガエル」になってしまっては大変です。 B 10分1,000円の理容室、ご存知ですか。 「10分で1,000円の理容室ができた。」とマスコミで話題になったキュービーネットの一号店が神田にオープンして5年が経ち、店舗総数は110店にも成長しています。安さと時間を組み合わせたところが成功の秘訣です。驚きだったのはこの理容室を運営する会社を立ち上げたのが、理容師ではなく、 全くの門外漢二人だったことです。理容室も理容業組合の組合協定価格といういわゆるぬるま湯につかってきた業種と言えます。だからこそ異業種からの殴りこみともいえる手法が考えられたのかもしれません。(その点は私たち税理士の世界も同様ですが。) 2 決算書の読み方講座盛況の理由 @ 取引先の決算内容を知るため 取引先が倒産したら、大変な損害を被ります。下手をしたら連鎖倒産ということにもなりかねません。取引先の経営実態を理解するために、決算書の基本的な読み方を学ぶ講座に通うビジネスマンが増えています。 A 金融機関に自社の経営実績を説明するため 金融機関は自社の決算を税理士任せにして、自社の経営実績や経営の計画について説明できない企業には融資をしなくなっています。会社は金融機関から経営計画書の提出を求められ、その上、その説明を社長自らがしなければならない時代になってきているのです。決算書は税務署のために仕方なく作るという時代ではなくなってきています。 3 金融機関への対応 @ 知らない間に不良債権に 返済は約定どおりに行ってきて、一度として期日に遅れたこともないのに、ある日突然、担保割れになっているから、返済額を増やして欲しいとか、追加担保を出して欲しいとか、奥様も保証人に入れて欲しいなどと言われる場合があります。 この場合は金融機関からみて、この会社への貸付金が不良債権となっていると考えられます。 それではどうするか。金融機関と話しあう以外にありません。長期のローンを組んである借入金であれば、金融機関から勝手に約定を違えることもできませんが、短期の手形借入れや当座借越契約などは、金融機関からストップされたらおしまいです。ここは怒らず、そうかといって金融機関の言うとおりに個人資産の全てを開示し、担保に入れ、奥様まで保証人にする必要はありません。逆にあまりに何でも見せ、金融機関の要求どおりにしていた場合には何も残らなくなってしまいます。 自分の会社を金融機関はどのように見ているのかを外部からの客観的な視点で見直し、その上で、短気を起こさず、金融機関からの言いなりでもなく、交渉していく術が求められます。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
ペイオフ解禁の中で、金投資やドル預金、ワンルームマンション投資と、持てる資産を有効に活用しようとの動きが見えます。財テクどころではないよとの声も聞こえて来そうですが、させるのか、財テクの落とし穴 「自己責任」の重さを自覚する。会社と家族を守るために。 1.見せ方を工夫する @「実演販売」で売る 餅を売ろうとしても売れない。餅つきをしてみたら餅が売れたというのは、イトーヨーカ堂の鈴木社長の話です。 マグロをお客様の見ている前でさばいて見せるというのも同じ効果を狙っています。 デパートの実演販売に、つい衝動買いをしてしまうという女性は多いのではないでしょうか。 「買う物が無い」と言われる、物の溢れた現在は、「商品と一緒に気分を売っている。」のだと思います。 A「探す楽しみ」「選ぶ楽しみ」を売る 多くの種類の中から選びたいのが消費者です。そうは言っても、店もそれ程広くはないし、そんなに種類も置けないし、・・・というのが中小の実態です。そうであるならば、取扱い商品を絞り込みんだ専門店になるのも戦略。ジグソーパズルの専門店で成功しているお店もあります。 2.「健康に良い」がキーワード 「健康に良いこと何かやっている?」というコマーシャルが流行ったことがありましたが、今、まさに健康ブーム。テレビ番組で「健康に良い」と言われると、翌日はスーパーの棚からその商品が無くなるという現象が起こります。(仕掛けだという話は別として・・・) 「私たちが食べて美味しい物しか売りません。」とか、「この完熟トマトは私がつくりました。」というメッセージと畑を背にして写した生産者の写真がそばにあれば、健康に良さそうな感じがします。その上、料理方法を手書きしたポップやドレッシングが並べてあったりすると、「今日はサラダにしようかしら。」と、トマトとドレッシングを買物かごに入れてしまうのが、実は私だったりします。 3.「中高年をターゲット」にする ビジネスを考えるとき、顧客層をどこにおくかは重要な鍵を握ります。少子高齢化が急速に進んでいる日本では、中高年を対象としたビジネスがますます増加していくはずです。もっとも、過去の中高年のイメージで考えては間違えます。今の中高年、ましてやこれからの中高年は、ますますおしゃれで、自分を高め、生活を楽しむ人たちが増加します。 女性の洋服にしても、中高年の体型の変化を考慮しつつ、おしゃれなデザインが求められます。自分が中高年ならば、自分が快適なことをビジネスに展開していけばよいのです。おしゃれな子供服も5月人形も買ってくれるのはおじいちゃんやおばあちゃんです。 4.「業界の常識は、世間の非常識」 業界の常識をうち破る中にビジネスチャンスがある 京都のMKタクシーは「ドライバーが挨拶をしなかったら料金はいただきません。」というサービスで、接客マナーは不要と言われてきたタクシー業界に旋風を巻き起こしました。 確かに、タクシー乗り場で並んでいても、道で手を挙げてタクシーを止めるにしても、お客はタクシーを選ぶことはできません。しかし、このサービスでMKタクシーは有名になり、顧客の支持を受けたのです。 病院は「殺風景な白い壁、冷めたご飯、早すぎる夕食」が当たり前というのは、一昔前の業界常識。ホテル業界からサービスを学ぶ病院経営者が出てきています。 病院に夕方入院して、翌日の朝9時に退院したら、病院は2日分の差額ベッド代を請求します。しかし、ホテルなら1泊分です。「朝、11時までに退院したら退院した日の差額ベッド代はいただきません。」という病院が将来出現するかもしれません。 5.「効率的なビジネスよりも効果的なビジネスを」心がける ABC分析とか、上得意への濃密接触とか、とかく、売上げの効率化が求められてきました。しかし、その逆をいって業績を伸ばしている会社があります。 電話一本で大量の商品を動かす帳合いビジネスは楽に売上高を上げることができますが、粗利が極端に薄いビジネスです。卸売業者の多くが廃業していく中にあって、自社配送にこだわり中小零細小売店を相手に粗利の高いビジネス展開する卸業者がいます。 最近、数千円の修理から請け負うリフォーム業界が伸びています。リフォーム事業というのは、一カ所の修理を頼むと、次々と頼みたい箇所が出てきて、やがては大きな工事の受注に結びつくことの多い業界のようです。 私も思い当たる気がします。 これも、目先の利益だけに目を奪われずに、お客様の要望に丁寧に応えていく中で、信頼を勝ち得ればこそ、採算にのるビジネスだと思います。非効率だけれども感動を呼ぶビジネスが効果的なのです。今月は伸びている会社の秘密を探ってきました。一番の秘密はお客様の感動を呼ぶ接客姿勢だと思います。やはり“人が命”ですね。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
まじめに返済していても、競売を迫る銀行もあります。 家族と財産を守るために、 会社再建・生活再建について考えます。 ◆家族と財産を守るために ◇競売を前に設立した会社で財産を守った例 【状況】 Iさんはバブル期に銀行の勧めで先祖伝来の土地に借入金で賃貸ビルを建築しました。しかし、その後の不況でテナントが埋まらず、計画どおりの家賃が入ってきません。仕方なくIさんは、ご自分が他に経営する事業から得る収入も注ぎ込んで借金の返済を続けていました。しかし、それも行き詰まって・・・。 【H銀行は】 Iさんに融資をしていたH銀行は、担保の土地とビルとを競売にかけると言ってきました。しかし、不動産価額の下落で競売しても借金が残ります。その残った債務については自宅を売却して返済するように要求してきました。 【Iさんは】 担保に入っている物件の売却は仕方ないと諦めましたが、担保に入ってもいない自宅までも処分するように言われて、怒り心頭です。もともと、借金嫌いなIさんに、相続対策だからと無理やり借入れを勧めたのは銀行だったからです。 借りたものは返さなければならないと言われればその通りですが・・・。 窮地に立たされたIさんはウルトラCとも言えるアドバイスを得て、見事に復活します。 それは、最近話題に上る「担保物の売却」です。 先日の日本経済新聞にも「不良債権 外資へ売却促す」という見出しで取り上げられていましたが、価値あるものをみすみす外資に売却するのではなく、身内もしくは身内の会社に買い取らせるのです。適当な会社が無ければ、ご自身の影響の及ぶ会社を作ればいいのです。 Iさんの場合も、銀行の言うままに売却すれば、ビルは他人の手に渡り、自分たちの住まいも失うことになります。当時、このビルの時価は3億円でした。このビルの家賃収入から計算した返済可能な借入金は4億5千万円でした。そこで、Iさんは娘婿に名目上の代表者になってもらい、事実上Iさんが支配する有限会社K社を設立した上で、このK社が他の銀行から融資を受けてこのビルを丸ごと購入したのです。建築費10億円をかけたビルを3億円で取得するのです。残債務はH銀行との話合いで自宅を売却して、その代金を返済に充て、残りは放棄する、ということでH銀行の了解も得られました。K社は3億円強の借入れをしましたが、この借入金額ならば、10年で完済できる見込みです。 ◇自己破産を決断した人も 先日も、バブル期に借地権の更新を迎え、1億円の更新料の支払いと建替え費用のために2億円の融資を受けた方が、返済原資としていた立体駐車場の収入の大幅な落ち込みのために返済が滞り、銀行から担保の立体駐車場とアパート、自宅全てを競売にかけると言われた上、ご主人の将来の退職金までも借入金返済に充てるように要求されて、将来の退職金までも取られるくらいならと、自己破産を選択されたという話しを聞いたばかりです。この方はこの数年来の銀行からの様々な申し出に、都度右往左往させられ気の休まる日がなかったと言います。弁護士さんと相談して自己破産を申請する決断をした後で、銀行に報告に行ったところ、「いや、ちょっと待って下さい。そんな早計なことを言われなくても。」と止められたそうですが、決意が変わらないとみた銀行は、次には不動産の購入者を連れてきたそうです。価額は5000万円、そこから、アパート入居者への敷金返還、立退き費用を差し引いたら、銀行へ入ったお金は3000万円ちょっとだったということで、「身内で買い取れる人がいたらよかったのだけれど・・・。」とその方は言われていました。 この方の場合には、5000万円の借入れならば、立体駐車場とアパートの家賃収入とで悠々と返済できたはずです。身内に買い取れる人がいなくても、先のIさんのような対応も取れたと思います。お話しを伺って、とても残念に思いましたが、ご本人は長年の借金の重しから解放されてほっとした様子だったのが、せめてもの救いだと思いました。 ◇家族との生活を守るために 金融機関にイニシアチブをとられると、金融機関サイドの整理が行われてしまいます。債務者側のその後の生活の事まで考えてはくれません。少しでもこちらに有利に話しを進めるためには、どうしても債務者側から積極的に提案をしていく必要があります。その時には、税金の滞納がないこと、担保に入れない物件を残しておくこと、奥さんを保証人に入れないことが重要になります。銀行が納得できるような数字の裏付けと資料とを用意した上で交渉に臨みます。 ◇破産と再建の分かれ道 会社の場合には、きちんとした再建計画が必要となります。その計画の過程で、必要となる売上高を算出したときに、 「そんなことを言ったって、相手があることだから、やってみなければわからない。」と答える社長には再建は無理、破産をした方がいいと言います。その売上がどうしても必要なのであれば、何が何でも達成するとの強い目的意識を持ち、そのための具体的な方法を考えていくという人でなければ、とても再建はおぼつかないというのが、100件以上の破産事案を手がけた人の言葉です。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
不良債権処理 わが社にも思わぬ余波が! 問題なく返済していても不良債権にされてしまうことも・・・。 この決算からしっかり対策を! ◆黒字決算 事業を継続するために! ペイオフが解禁されました。 「ペイオフ、そんなに預金がないから関係ないよ。」と思っている方。 事業者にとっては、融資を受けている銀行が破綻することで、思わぬ立場に追いやられることがあります。 「寝耳に水」ということにならないように、こんなことも知っておいて下さい。 ○ ある信用金庫の破綻が意味するもの ペイオフを控えて破綻したある信用金庫。そこから、我が社を守るために、われわれが採るべき道が見えてきます。 ◇前回検査 2期連続赤字⇒きちんと返済されていれば ○(正常債権) 返済条件変更⇒変更後の条件どおりに返済されていれば ○ ↓ ◇今回検査では 2期連続赤字 ⇒ きちんと返済していても ×(不良債権) 返済条件変更 ⇒ × ↓ 不良債権の増加=自己資本比率悪化 ⇒ 債務超過 ↓ 信用金庫破綻 ↓ 取引企業への貸付金(=企業からみたら借入金) 金融機関から見た 正常債権⇒受け皿金融機関に引き継がれる。 金融機関からみた 不良債権 ⇒ 叶ョ理回収機構に移される。 不良債権はRCCに移されると言われているため、「RCCに移されること=不良貸出先」と見なされ、他の金融機関からの新規の借入れができなくなるばかりか、手形割引も困難に! ○ 2期連続赤字=不良債権 上記から見えてくることは、会社が2期連続赤字になると、その会社に融資している金融機関は、その会社への融資(債権)を不良債権扱いにしなければならなくなるということです。 ○ 貸したくても貸せない理由 債権が正常債権と見なされなくなる(=不良債権に格付けされる)ことは、金融機関からみたら下記のような意味を持ちます。 例えば、金利4%で2,000万円融資している場合の年間金利収入=80万円。 その会社が不良債権として位置付けられ、貸倒引当金を50%引き当てなければならなくなった場合=貸倒引当金1,000万円。 この会社に融資することによる経済効果(ごく簡単に) 金利収入80万円―貸倒償却1,000万円=▲920万円 その上、この貸倒引当金は税務上損金になりません。 ○ 銀行の態度が変わる 「会社が赤字でも、役員の個人資産と信用とで銀行借入れもできるし・・・。税金は高いし・・・。」という感覚が長い間の会社経営を支配してきました。 しかし、金融機関は企業の格付けを行い、信用度に応じた取り扱いをするようになってきています。 具体的には、 1.新規融資を断られる。 2.手形割引を断られる。 3.当座借越契約を証書借入れに変更される。 4.既存の融資の返済条件を厳しくされる。 5.追加担保を要求される。 6.高い金利を提示される。 7.定期的に試算表の提示・報告を求められる。等々です。 ○ 信用力で金利も変わる ある都市銀行が「企業向けの貸出金利に信用力などを反映する新しい貸出制度を導入する。・・・貸出先に応じて最大4%程度の格差をつける。・・・他の大手銀行も追随する見通し。」と日経の一面で報じられたのは最近のことです。平均的な企業を標準にして、それよりも信用力が落ちる会社には貸出金利を引き上げ、逆に平均よりも優れていれば金利を下げ、その結果として、最大で4%の格差をつけるというものです。 平均的な企業として想定しているのは、自己資本比率20%程度、経常利益率2.5%程度と言います。1億円の売上高なら250万円の経常利益ということになります。中小企業の7割〜8割が赤字と言われているのに、「これが平均的な会社?」と言いたくなります。 格付けの基本となる指標の多くが「○○利益率」というように利益が基準になっています。利益が出ていないことには始まらないのです。こういう時代だからこそ、利益の出せる体質にすることが求められています。 役員報酬はきちんと受け取れていますか? 数字上だけのことになっていませんか? どこかに甘さが残っているせいだ、とご自分で思われることはありませんか? みんな苦しいのです。 行き詰まったら、元気のいい人から氣を分けてもらいましょうよ。きっと道は開けます。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
意外と負担の重い生命保険、今回は賢い保険の掛け方を考えてみます。
確定申告が終わりましたが、多くの皆様が5万円満額の生命保険料控除を受けられたのでは? 月に3万円の保険料を支払ったら、年間で36万円、10年間で360万円、30年間では1080万円にもなります。生命保険は意外と高い買い物なのです。今回は保険の仕組みを知って、賢い保険の掛け方について考えてみたいと思います。
これは、死亡率と予定利率と事業費率をベースとして計算されています。 1,死亡率 日本国民の寿命が延びれば保険料は下がります。同じ年齢でも女性の方が男性よりも保険料が安いのは、寿命が長いからです。つまり女性は死亡率が男性よりも低いからというわけです。日本人の平均寿命は延び続けていますから、これは保険料の引き下げ要因となります。 2,予定利率 これは予定運用利回りです。現在のような超低金利の時代には、運用利回りが低くなります。運用利回りが期待できない分、保険料は高くなります。 3,事業費率 これは保険会社の人件費その他の経費です。この部分は企業努力で引き下げが可能ですよね。 以上を整理すると、 運用利回りの低下は・・・保険料の引き上げ↑ 寿命の延びは・・・・・・・・保険料の引き下げ↓ 経費の節減は・・・・・・・・保険料の引き下げ↓ ということになります。
生命保険会社の経営が苦しい原因が、運用の逆ざやの問題です。高金利の時代に保険契約者に約束した予定利率では運用できなくなっているのです。高い運用成果を求めた結果が不良債権化した資産という悪循環になっています。 この逆ざやが生保の破綻の大きな原因になっています。日本の生保各社が多かれ少なかれこの問題に直面しています。新しい契約は、予定利率を下げて保険料が計算されていますが、過去の予定利率が高い頃に契約した保険については、現状の運用水準に下げることができないのです。例外的に予定利率を下げて保険料を上げたり、保険金額を引き下げたりする場合がありますが、それは保険会社が破綻した場合に限られます。 そこで、保険会社が破綻する前でも、既存契約の予定利率を下げられるようにしよういう動きもありますが、生保各社は解約の増加を懸念して、すでに契約している保険には手をつけないというのが今のところの方針のようです。
生命保険には貯蓄性の高い保険と保障を重視した保険とがあります。貯蓄性の高い保険ほど予定利率の影響を強く受けることになります。生命保険会社からみたら逆ざやの大きい契約となりますが、顧客(契約者)から見たら有利な契約ということになります。現在ではとても運用できないような高利回りが約束されているのですから。 ちなみに、5.5%の予定利率と現在の予定利率とでは保険料が倍近く違うのです。現在の予定利率は保険種類によって幅があり、2.0%〜2.35%です。 従って、過去に契約した保険(積立型の保険は特に)は解約しない方がお得ということになります。個人年金などは積立型の保険の最たるものですから、大切に続けられた方が有利です。 そうは言っても、契約している生保が破綻したら、元も子もありません。ご自分が契約している保険会社の安全性に注意を払わなければならなくなりました。 これに対して、保障を重視した保険の場合には、事情が若干異なります。たばこを吸わない人は保険料が安くなるという保険もできていますから、契約し直した方が保険料が安くなる場合もあります。 法人会の会員でいらっしゃる皆様の場合は、個人で保険に入るのか、会社で入るのかも大切なポイントになります。個人で入った方が良い保険と会社で入った方が有利な保険とがありますから、必要保障額を重複しないように、税金の仕組みも考慮して上手に入ることが大切です。
1, 支払った保険料の扱い 個人 → 生命保険料控除 法人 → 会社の損金(経費)、会社の資産計上、被保険者の給与。 2,受け取った保険金の扱い 個人 → 保険料を支払った人と保険金を受け取った人が同じ=所得税 〃 〃 異なる=贈与税、相続税 法人 → 支払った時 受け取った時 経費 → 収入 資産 → 資産の取り崩し 給与 → 受取人は個人 生命保険は掛け方、受け取り方によって、税金は様々。非課税規定も上手に使って、ご自身と家族、会社、従業員を守りましょうね。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ
これから1年間、タイムリーなお役立ち情報をお届けしたいと思います。 今回は4月1日に迫ったペイオフ解禁にむけての対処方法をまとめてみました。 ◇どういう問題があるの? “ペイオフ” ペイオフの話になると、「うちは1,000万円も預金がないから大丈夫。」とおっしゃる方がいらっしゃいます。しかし、メインバンクが破綻すると大変です。破綻した金融機関は新規の融資ができなくなりますから、借入が必要な場合には他の金融機関に申し込まなければならなくなります。 政府としては、たとえ金融機関が破綻するようなことになった場合でも、できるだけ影響が少なくて済むように、破綻金融機関の営業を他の救済金融機関に引き継ぐ方法により破綻処理を進めたい意向のようですが、北海道拓殖銀行のときもそうでしたが、救済金融機関を探すのは大変です。また、救済金融機関が融資先の全てを引き継いでくれるわけでもありません。 取引金融機関が破綻したら、1,000万円の範囲内といえども、数日間、預金が下ろせなくなる場合もあります。 以下にQ&A方式でまとめてみました。実際にはケースバイケースの事も多いのですが、“備えあれば憂い無し”できる準備はしておきたいものです。
金融機関は、今後ますます取引先の選別とランク付けを進めると思います。企業の信用状況や取引内容に応じて金利が変わる時代になりました。私たちも、“会社の成長を支援してくれる金融機関”とおつきあいしたいものです。 詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。 このページのトップへ Copyright (C) 2003 Kinue Koide Accounting Office All Rights Reserved |