TKC 小出絹恵税理士行政書士事務所

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事務所通信

事務所通信2017年1月号

自分(自社)のユニークネス(強み)の発見

元巨人軍の桑田真澄投手は、中学時代はコントロールの良さが強みでしたが、高校野球では通用せず、球拾いの毎日だったそうです。桑田投手は、自分の強みは何かを冷静に分析し、投手としてずば抜けた力はないが、野球の基本である打つ、守る、走る、(配球や癖を)考える、などの一つひとつの力に磨きをかけて、それらの力を総合力として生かすことを考えました。その後の活躍はご承知のとおりです。
一流の強みはなくても、複数の準一流を磨いて総合力を上げるという考え方は、中小企業の経営のヒントになります。



平成28年分の法定調書からマイナンバーの記載が必要です

平成28年分の法定調書(支払調書や源泉徴収票など)と市区町村へ提出する給与支払報告書の提出期限は、1月31日(火)です。今回の提出から、原則として、マイナンバーの記載が必要です。

●給与支払いに関係する法定調書と給与支払報告書のマイナンバーの記載の注意点
 @源泉徴収票等へのマイナンバー記載には猶予期間はありません。
 A給与支払報告書は平成28年分からマイナンバーの記載が必要です。
 B中途退職者の源泉徴収票にもマイナンバーの記載が必要です。
 C受給者に交付する源泉徴収票へのマイナンバーの記載は不要です。


●外部への報酬等の支払いに関係する法定調書のマイナンバーの記載の注意点
 @外部への報酬等の支払先からマイナンバーの提供を受けます。
 Aマイナンバー等の提供を受ける際には本人確認が必要です。




決算の基本の「き」を学ぶ A
〜 貸借対照表の残高を確定する 〜


決算手続きには、貸借対照表の勘定科目を確認し、残高を確定するという重要な作業があります。

@実地たな卸や残高証明書によって、資産や負債が実在しているか、金額は正しいかを確認し、残高を確
 定します。
A貸借対照表上の資産・負債は、営業循環基準や1年基準によって、流動・固定に分類します。
B各会計期間の損益計算を正しく行うため、翌期以降の収益や費用とする項目を前払費用などの勘定科目
 によって貸借対照表に計上します。
正しい決算書から経営状況を把握し、明日からの経営に役立てましょう。

営業循環基準… 資金の循環に着目し、営業活動から生じる資産(たな卸資産、売掛金、受取手形)と負債(買掛金、支払手形)は、保有期間の長短にかかわらず、すべて流動資産、流動負債とします。

1年基準… 期首から1年以内に現金化される資産(流動資産)と1年を超える資産(固定資産)に分類し、1年以内に支払期限が到来する負債(流動負債)と1年を超える負債(固定負債)に分類します。

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事務所通信2017年2月号

決算までに仮払金勘定を清算する
 〜決算の基本の「き」を学ぶB〜


 内容が不明な取引等があった場合に、仮払金や立替金などのいわゆる仮勘定で安易に処理してしまい、そのまま精算されず残高が残っていることがよくあります。
 仮払金などの仮勘定は、月次の決算、遅くても期末の決算までに精算し、決算書に残高を計上しないように努めます。
 決算書に仮払金等の残高が残っていると、税務署は、それが役員や従業員への給与や貸付金ではないかという疑いの眼を持つでしょう。また、金融機関は、仮払金等に資産性がないと判断すれば、資産を減額して実態修正をするでしょう。一方で、決算書に仮勘定の残高が計上されていないことは、決算書の信頼性が高いことの証にもなります。



「配偶者控除」が見直されます

 与党の平成29年度税制改正大綱が公表されました(12月8日)。中でも、注目されるのは、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しです。

配偶者控除の見直し案
 納税者本人が配偶者控除を受ける場合、納税者本人の合計所得金額900万円(給与の年収が1,120万円)までは、従来どおり、38万円までの配偶者控除が受けられますが、給与の年収が1,120万円を超えると控除額が26万円、13万円、0円と段階的に縮小されます。

配偶者特別控除の見直し案
 配偶者控除の適用ラインを超えた場合に、控除対象配偶者の収入103万円〜141万円の範囲で段階的に控除される配偶者特別控除が大幅に見直されます。控除対象配偶者の給与の年収が150万円以下であれば、38万円の配偶者特別控除が受けられます。(ただし、配偶者控除と同様に給与所得によって控除額は段階的に縮小されます)



週40時間制の基本と働き方

 政府において働き方改革の議論が進められており、その狙いの一つに長時間労働の抑制等があります。
 中小企業における働き方改革とは、まずは、労働時間や残業時間についての労働法規を正しく理解して、経営者と従業員が協力して、労働時間のあり方を見直し、自社の特徴にあった(変形労働時間制やパート従業員の活用などを含めた)働き方を考えていくことにあります。
 

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事務所通信2017年3月号

たな卸資産の決算手続き
 〜決算の基本の「き」を学ぶC〜


 実地たな卸は、「財産(期末たな卸高)」と「売上に対応した売上原価」を確定させる大切な手続きです。期末たな卸高は、決算手続きばかりでなく、税務調査や金融機関にとっても重要です。
 税務調査では、決算期末日前後の取引を中心に、在庫や締め後の売上が正しく計上され、所得もれがないかが確認されます。
 金融機関は、在庫過多の場合には、不良品やデッドストックが含まれていないか、水増しが行われていないかなど、その資産性の有無を確認します。



税務調査は恐くない!
 〜決算書・税務申告書の信頼性を高めて、
  安心できる経営を〜


 税務調査への不安をなくし、経営に専念したいと思いませんか?
そのためには、日々、正しい記帳を行って、月次決算を実施することが不可欠です。毎月、会計事務所の巡回監査を受けた決算書をもとに作成された税務申告書は税務署からの評価も高くなります。
 さらに、税理士による書面添付(税理士法第33条の2第1項)が行われた税務申告書であれば、より評価が高まるでしょう。決算書の信頼性が高くなれば、金融機関の評価も高まります。



長時間労働を防ぐ働き方を考える
 〜1年単位の変形労働時間制の活用法〜


 労働基準法で、労働時間は「1日8時間、1週40時間」が原則です。ところが、業務に繁閑や季節変動がある業種・業態では、この原則が馴染まない場合があります。
 そのような実情を踏まえた働き方として、1年単位の変形労働時間制があります。これは、平均で1週間40時間(年間2,085.7時間)以内に労働時間を設定し、その範囲内であれば、例えば、1日10時間働いても時間外労働にならない制度です
 このような制度を上手に活用して、労働時間を管理し、残業代の抑制や長時間労働の改善に取り組むことが求められています。
   

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事務所通信2017年4月号

決算日の前後にやるべきこと
 〜決算の基本の「き」を学ぶD〜


 決算手続きの基本的な考え方は、期末における資産・負債の一切を帳簿から離れて、その実在性や網羅性を確認し、確定することにあります。
 決算日までに、滞留債権、不良債権への対処(債権放棄通知の発行)、不良在庫の処分(処分時の証拠資料の保存)、固定資産の実物と台帳の突き合わせ(売却・除却の場合は証拠資料の保存)などを行い取締役会等の承認を得ておくことも重要事項です。
 貸借対照表の資産・負債の金額がもれなく確定すれば、総額主義の原則に従って、損益計算書の金額も正しく表示され、当期利益も正しく計算されます。



平成29年5月30日
すべての事業者に個人情報保護法が全面適用されます。


 平成29年5月30日から改正個人情報保護法が施行され、これまで適用免除となっていた「保有する個人情報が5,000人以下の事業者」にも適用されることになります。
 個人情報保護法では、顧客や従業員の個人情報を取り扱う事業者が守らなければならない「5つのルール」として、
 @利用目的を明示して取得する
 A利用目的の範囲内で利用する
 B流出、漏えいさせないよう安全に保管する
 C第三者への提供には、本人の同意を得る
 D本人からの個人情報の開示や訂正、削除の要請に応じる
があります。
 個人情報の流出や漏えいは自社の信用に関わり、経営にも大きな影響を与えます。個人情報の取扱いのルールを守ることは、自社の信用を守ることでもあります。



こんなときは貼る?貼らない? 領収書等の印紙税

 受取金額が5万円以上の領収書には、記載金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。実務では、領収書の発行や代金決済の方法に様々なケースがあるため、誤解や判断に迷うケースがあるようです。
 例えば「再発行した領収書」「仮領収書」「レジから発行されるレシート」「領収書と明細書を発行するとき」「Web上で電子発行された領収書」「電子マネーによる決済」「クレジットカードによる決済」などの事例で印紙を貼る必要があるかないかを紹介しています。
   

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事務所通信2017年5月号

決算の確定と株主総会の開催
 〜決算の基本の「き」を学ぶE〜


 株主総会では、決算の承認、役員の選任、剰余金の配当、定期同額給与の改定、定款変更などの重要事項を決定します。役員の選任(改選)を行った場合は、必ず変更登記を行いましょう。登記を怠ると、過料の制裁があります。
 総会後は、議事録の作成・保存が義務付けられています。税務調査では、定期同額給与の改定や事前確定届出給与の支給などについて、株主総会の議事録がチェックされます。
 同族企業であっても、毎期、株主総会を開催して、決算内容を報告し、業績を客観的に確認することを続けることで、緊張感をもって経営に臨みましょう。



マイホームを購入・新築、リフォームするときの
税制の特例


 「所得税の住宅ローン控除」「住宅取得等資金の贈与税の特例」は、消費税率の引上げ延期に伴い、措置の見直しが行われています。
 住宅ローン控除は、適用期間が平成33年12月31日まで延長されています。
 贈与税の特例については、適用を検討される方は注意してください。消費税率の引上げ延期に伴い、省エネ等住宅を取得する場合の非課税枠最高3,000万円(消費税率10%が適用される方)の適用が延期されています(平成31年4月〜32年3月まで)。
 そのほか、平成29年度税制改正では、特定の増改築等に係る税制優遇措置について、耐震改修・省エネ改修に加えて、一定の耐久性向上改修(劣化対策、維持管理・更新の容易性の確保)を減税の対象にした「長期優良住宅化リフォーム減税」が創設されました。



社員の60歳以降の働き方を考える

 現在の法令では、社員が60歳以降も引き続き雇用を希望する場合には、会社は、原則として雇用しなければなりません。60歳以降の雇用について、年金支給や高年齢雇用継続給付の活用も踏まえ、経営者と社員が話し合って、
  @引き続きフルタイムでの勤務
  A勤務日や勤務時間を減らすなど労働条件を見直した働き方
  B退職
 から選択することになります。
 今後、会社側の人材確保、従業員の年金支給開始年齢の引き上げによる収入確保の問題、などから継続して働く人が増加するでしょう。会社としても、社員の合意のもと、定年延長(60歳→65歳)、継続雇用、定年廃止などの制度を整備しなければなりません。
   

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事務所通信2017年6月号

設備投資減税が拡大されました
〜中小企業経営強化税制の創設〜


 平成29年度税制改正において「中小企業経営強化税制」が創設されました。これは、生産等に係る設備投資を対象に、経営力向上計画の策定・認定を受けることで、取得価額の即時償却又は10%税額控除ができる制度です。
 新税制では、税優遇の対象設備として「生産性向上設備(A類型)」「収益力強化設備(B類型)」が設けられ、特に「収益力強化設備(B類型)」については、生産性向上や販売開始日の要件がなく、さらに対象設備が生産性等に係るすべての器具備品・建物附属設備にまで拡大され、より多くの業種で利用できるようになっています。なお、平成29年4月1日以降の設備の取得・共用から利用が可能です。



決算後の注意点
〜決算報告、帳簿書類の保存、申告・納付など〜


 決算が終了し、法人税の申告・納税を終えても、金融機関への情報開示、帳簿書類の保存など、まだまだ重要なことが残っています。
 帳簿書類の保存については、法人税では原則7年間の保存義務があり、これを怠ると、青色申告の取り消し、消費税の仕入税額控除の否認など、税務上の不利益を被るおそれがあります。
 金融機関への決算報告の際には、事業計画書も持参し、今後の経営の見通しや将来の資金需要について説明しましょう。



なぜ、長時間労働が発生するのか?
〜その要因把握が第一歩です〜


 残業についてのアンケート調査によると、企業の約8割が「残業削減に取り組んでいる」と回答していますが、依然として削減が進まないのが実情のようです。
 残業が削減できない理由を「人手不足」「業務量の多さ」など、漫然に捉えていないでしょうか。
 まずは、社内の体制や社員一人ひとりの仕事について、改善すべき点を明らかにしてみましょう。社内の風土、仕組みや管理体制、仕事の進め方、季節性、業務の特性などの複数の要因が絡み合っており、それらを一つひとつ紐解きながら、改善していかなければ、なかなか削減することができません。
   

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事務所通信2017年7月号

“利益向上作戦”4つの打ち手を考える

 利益を向上させるには、「@固定費の削減」「A販売数量の増加」「B売上原価の削減」「C販売価格を上げる」の4つの打ち手があります。どの打ち手が最も利益を増加させるか、変動損益計算書を活用してシミュレーションしてみましょう。
 いずれの打ち手も、利益の向上につながりますが、固定費や変動費の削減だけでは限界があり、販売数量を増やすための安易な値引きは、大きく利益を減らす結果になります。実際には、4つの打ち手を組み合わせて考えることになりますが、最も利益を増加させるのは「販売価格を上げる」です。変動損益計算書の考え方を販売戦略に活かすことで、経営力を高めることができます。



契約書の印紙税はここに注意!

 不動産売買、工事請負、金銭消費貸借などの契約書は、印紙税法上の課税文書として、記載金額に応じた税額分の収入印紙を貼らなければなりません。税務調査の際、貼り忘れや金額不足などを指摘されないよう、注意しましょう。
 文書の表題に「○○契約書」といった記載がなくても、文書の記載内容が契約の成立等を証明するものであれば、課税文書になります。印紙税は、文書課税であるため、契約書を2通以上作成した場合、そのすべてに印紙を貼る必要があります。ただし、単に契約書の控えとしてコピーしたときは、コピーした文書に印紙を貼る必要はありません。
 最近は、紙の契約書を作成せず、電子メールでやり取りするケースが増えていますが、このような電子文書は課税文書に該当せず、印紙税はかかりません。


子育て・介護と仕事との両立を支援する助成金の活用

 介護離職者は年間10万人を超え、介護離職予備軍ともいえる「隠れ介護者」(家族の介護を職場に隠している)は1,300万人と推定され、今後、介護離職者は急増することが予想されています。子育て(出産・育児)のために離職した女性の25%は「仕事との両立が難しく、退職せざるを得なかった」といいます。
 育児・介護休業法では、企業に対して、従業員が離職することなく、子育て・介護と仕事との両立ができる介護休暇制度、育休制度などの環境整備を求めていますが、なかなか進んでいないのが実情です。介護・育休制度の整備にあたっては、両立等支援助成金が受給できないか検討してみましょう。
 両立等支援助成金は、介護休業を利用しやすくした場合(57万円)や、男性に育児休業を取得させた場合(57万円)、育児休業の取得と職場復帰をさせた場合(それぞれ28万5千円)などに支給されます。
   

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事務所通信2017年8月号

自社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」って何?

 金融庁は、金融機関に対して、「ローカルベンチマーク」(ロカベン)によって、融資先の経営者と対話しながら、経営改善や生産性向上を積極的に支援することを求めています。
 ロカベンとは、経済産業省が策定した企業の経営診断ツールで、売上増加率、営業利益率、労働生産性などの財務情報と、ビジョン、製品・サービスの内容、技術力・販売力などの非財務情報をもとに、経営者と金融機関や税理士などの認定支援機関等が対話しながら、将来の可能性を評価し、今後の方向性を導き出すものです。
 ロカベンを利用することで、経営者と金融機関等が同じ目線で、経営改善を進めることが期待されています。また、ロカベン帳表は、TKCローカルベンチマーク・クラウド」から作成可能です。



ITを活用した「新サービスの開発」にも税額控除を適用

 製品の製造や技術の改良・発明等にかかった試験研究費の一定額を法人税額から控除できる研究開発税制は、これまで製造業を中心とした制度でした。平成29年4月から、IoT(モノのインターネット)やAI、ビッグデータ等を活用した「新たなサ−ビスの開発」にも適用対象が広がり、ITや情報サービス系の企業でも税制の優遇を受けやすくなりました。
 また、中小企業の研究開発投資意欲を高めるインセンティブとして、試験研究費の増加率が5%を超える場合には、最大で17%まで控除割合が上乗せされました(2年間の時限措置)。


残業時間と残業代の計算方法を正しく理解しよう!

 残業時間と残業代については、誤解が多いようです。法定労働時間「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を超えると残業になり、時給単価に25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。夜22時から翌朝5時までの時間帯の残業については、50%以上の割増賃金になります。
 法定労働時間内であっても、会社が決めた所定労働時間(例:1日7時間就業など)を超えると残業になり、残業代を支払う必要があります。ただし、法定労働時間内の残業については、賃金の割増は不要です。
 なお、残業代の時給単価の計算には、家族手当や通勤手当、住宅手当などを含める必要はありません。    

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