世田谷区下北沢TKC小出絹恵税理士事務所
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2003年12月 【相続・事業承継対策を考える!】
・今年の目玉〜相続時精算課税制度〜
・制度の概要
・いつの贈与の分から適用?
・相続時には贈与時の価額で加算
・有利?・不利?
・生前に相続を済ませる?


2003年11月 【売掛金回収】
・延滞期間が長くなるほど下がる回収率
・売掛金回収のスタンス
・期日に入金しなかったら
・後ろ向きの作業は続けられない
・内容証明郵便を出す
・内容証明郵便の書き方

2003年10月号 【伸びる会社、伸ばす方法】
・経営理念の進化、昇華
・ 1号店失敗の教訓 〜職人に依存しない仕組みを作る〜
・売上予測が材料の発注になる仕組み
・狙う市場は
・資金がなかったからフランチャイズ展開を考えた!


2003年9月号 【キャッシュフロー経営を考える】
・棚卸のマジック
・どっちの会社が儲かっているか
・複雑になった会計を分かり易く


2003年8月号
・やる気を引き出す経営とは? 〜“平等”と“公平”について〜
・今すぐできる簡単な債権回収方法について

2003年7月号
・「体力のある会社」「銀行が融資をしたくなるような会社」とは・・・?


2003年6月号
「相続時精算課税制度(平成15年1月1日より)」について




◆2003年12月

相続・事業承継対策の講演会には、多数の皆様にご参集いただきまして有り難うございました。まさに満員御礼の状況で、皆様の関心の高さを感じました。
そこで、今月号では相続時精算課税制度の使い勝手について取り上げます。

相続・事業承継対策を考える!
//今年の目玉//相続時精算課税制度

【制度の概要】

この制度は、原則として65歳以上の親が20歳以上の子供に財産を贈与する場合に限って、何回でも何年にわたっても合計で2,500万円までは贈与税が課税されず、相続が起こったときにその生前に贈与した財産にも相続税を課税するという贈与・相続一体課税制度です。
2,500万円を超える財産の贈与もできますが、その場合には、2,500万円を超える部分には一律に20%で贈与税が課税され、相続時に精算されることになっています。
また、20歳以上の子供に対する住宅取得資金等の贈与に対しては非課税枠が3,500万円に増額されています。

【いつの贈与の分から適用?】
この制度は平成15年1月1日以後の贈与に対して、相続時精算課税制度を選択する意思表示をすることによって適用されます。去年までに行った贈与は関係ありません。
したがって、昨年までに贈与を行ったものは、受贈者の財産であり、原則として贈与者の相続財産に加算されることはありません。
(ただし、贈与から3年以内に贈与者がくなった場合には加算される場合があります。)

【相続時には贈与時の価額で加算】
相続時精算課税制度を利用した場合に、相続時に加算される贈与財産の価額は、贈与した時の価額ということになっています。従って、贈与時の価額が2,000万円の土地が相続時に1,500万円に下がっていたとしても、贈与時の価額である2,000万円が相続財産として加算されて相続税が計算されることになります。

【有利?・不利?】
@一般的には将来値上がりするような財産の贈与は有利、逆に値下がりする財産の贈与は不利と言うことがいえます。土地は一部を除いてまだ値下がりの続く傾向ですし、自社株は株価の評価が会社の業績により変動しますので、ともに将来の値下がりのリスクを負うことになります。

A「小規模宅地の軽減」の適用はありませんから、一般的には小規模宅地の軽減の対象になるような土地(親の居住用の土地、事業用の土地等)よりも、小規模宅地の軽減のない土地を贈与されたほうが有利といえます。

B収益物件の生前贈与により子供への所得の移転と納税準備資金の確保を図ること ができます。

相続税の観点からだけではなく、所得税の観点からも考慮して、高額所得者である親からの子への所得の移転により、親の所得税・住民税負担の軽減を図るとともに、子供自身の所得として納税資金を準備することができます。
ただし、お子さんを扶養家族としている場合には、お子さんが扶養から外れる場合もありますし、お子さんのもともとの所得によっては、お子さんの所得税・住民税が高くなるという問題も発生します。きちんと試算をなさって、「こんなはずではなかった。」ということのないように、納得されてから実行に移してください。
土地と建物とを贈与しようとすると、とても2,500万円の範囲にはおさまらない、20%の贈与税の負担も大変だという場合でも、建物だけの贈与であればいかがですか。

【生前に相続を済ませる?】
どのお子さんに事業を継がせるか。ほかの子供へはどうするか。事業も大変、事業承継を考えるのも大変だと思います。
自分の目の黒いうちに、きちんとしておきたいというお気持ちも分かります。そうは思っても、今までは贈与税の負担が大変でした。相続放棄も相続発生前にはできません。
しかし、この制度ができたことによって、まさに生前相続が可能になったとも言えます。
この「相続時精算課税制度」と「遺留分の放棄」と「遺言」とをセットで行うことによって、将来の遺産分けの目途をつけることも可能になりました。
具体的には、事業承継させたい子供以外の子供に、この「相続時精算課税制度」を利用して贈与を行い、贈与を受けた子は「遺留分の放棄」を家庭裁判所に申し出て裁判所の許可を得た上で、親は「遺言書」を書いておく。この3つを実行することによって、相続が起こった
ときに、遺産分割協議を行わなくても、遺留分の減殺請求の心配もなく、全財産を妻や事業承継させたい子に相続させることが可能になります。

【贈与税も相続税もかからない】
相続税の非課税の範囲は現在、
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数ですから、相続人様が奥様とお子さま2人の計3人である場合には、被相続人の財産が8,000万円以内であれば、相続税はかからないことになります。相続時に現存する財産と相続時精算課税制度を利用して生前に贈与した財産があれば、その金額を相続財産に加算した上で、基礎控除額以下になるかどうかを判断します。けっして、「生前贈与した結果、残っている相続財産が基礎控除額以下になったから、相続税がかからないはずだ。」ということにはなりませんので、念のため。
また、上記の非課税枠を引き下げようとする税制改正の動きもあります。
いずれにしましても、子供が定年を迎えるころに相続で財産を取得するよりは、教育費や住宅ローンのかさむ現役時期に、親から子への資金援助や財産移転がやりやすくなったと言えます。

詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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◆2003年11月

年末が近づいてきました。皆様の会社の決算は年末とは限らないと思いますが、やはり気分の上では区切りの時です。この機会に売掛金回収を図りませんか。

売掛金回収

◇延滞期間が長くなるほど下がる回収率
皆様の会社で2ヶ月以上回収できないでいる売掛金はありませんか?支払約定日が到来したにもかかわらず、支払われなかった売掛金の回収率は、期間が経過する程に低下していきます。2ヶ月経つと85%に、1年経った売掛金の回収率は25%にまで下がってしまいます。
なんと2年経った売掛金の回収率は10%ちょっとです。まさに時は金なりです。売掛金の回収は時間との勝負。約定期日に遅れたら、すぐに再請求を出すことが何より大切です。

◇売掛金回収のスタンス
1. 請求書はすぐに出す。
品物を手にしたとき、またはサービスの提供を受けたときに、お客様の満足度は最高に 高まっています。そのタイミングを逃さないで請求書を出すようにします。
2. 代金を回収してこその売上げ!
いくら大量に商品を販売しても、代金が回収できなかったならば、販売しない方がまだましです。販売は代金を回収してこそ完結します。「売掛金は絶対に回収するぞ」という社長の 強い意思が必要です。
3.そうは言っても相手はお客様、お得意様です。言動はくれぐれも失礼のないようにしましょう。

◇期日に入金しなかったら
1. すぐに電話をして確認します。
2. 相手の話は終わりまで聞きます。
3. 支払いがなされなかった原因が、クレーム等当方の責に帰す理由であれば、速やかに対処した上で、支払いを求めます。
4. 経理担当者ではらちがあかないと思った場合には、その上司や社長と話します。
5. 支払いの遅れた理由をただ聞くだけはなく、いくらでもその時に回収できる金額の支払いを求めるようにします。
6.電話で済ませるだけではなく、会社に訪問して支払いの交渉をします。
7.手形のジャンプを申し出られたら、黙って応じるだけではなく、担保の提供を求める等の債権保全を図るようにします。

◇後ろ向きの作業は続けられない
売掛金の回収作業は、誰もやりたくない作業です。何度も何度も請求して支払いの約束を取り付け、その支払期日を待っては入金されずに裏切られ・・・、ということを繰り返しているうちに、催促すること自体がいやになってくるのです。どうも人間は、そういう後ろ向きの作業は続けられないようにできているようです。「こんなことを続けているよりも、次の売上げのために行動する方がよい。」と考えて、売掛金回収を諦めるのだそうです。さもあらんと納得します。
この人間の性質を逆手にとって、最初から踏み倒すつもりでいる“けしからぬやから”もいるそうですから、始末に悪いです。
最初は口先の約束で支払いを延ばし、それができなくなると、書面で支払いの約束をして支払いを延ばす。相手が要求すれば何でも書く。どうせ支払うつもりはないのですから、確かに何でも書けますよね。そのうちに請求する側がいやになってしまうので、結局、支払いをしないで済むということのようです。
こういう人種に出会ってしまった場合には、早く見抜いて、諦めるか、第三者に任せるか、法的な処置を取るかしかないですよね。

内容証明郵便を出す
「内容証明郵便」を出して催促をすると、相手にそれなりのプレッシャーを与えることができます。何年も放置していた売掛金があったので、“駄目もと”のつもりで内容証明郵便を出したら、相手がびっくりして支払いをしてきたという事例もあります。

◇内容証明郵便の書き方
同じ文書を3枚用意します。カーボン紙で複写しても、コピーしてもOKです。内容証明用紙も文具店などで販売されています。自分でワープロで打ってもOKです。勿論手書きでもOK。
用紙サイズは決まっていませんからA4でもB4でもOKです。内容、文面は自由です。
ただ、1枚の用紙に書く文字数と行は決まっていますので、それに従います。

縦書きの場合・・・1行の文字数は20字以内で26行以内。
横書きの場合・・・@1行の文字数13字以内で30行以内か、
A1行の文字数26字以内で20行以内、となっています。

料金は、内容証明料・・・1枚目 420円
2枚目以降 250円/枚
普通郵便料金・・・80円より
書留料金 ・・・420円

(ここまでは必ず必要。配達証明は任意)
配達証明 ・・・300円

以上、1枚の内容証明郵便を出すには最低でも920円かかります。それに配達証明つきにするとプラス300円です。内容証明郵便は本局でしか扱っておりません。世田谷郵便局の本局は三軒茶屋の国道246沿いにあります。24時間、土日も営業していますので、いつでも受け付けて貰えます。そのほかにも民事調停の申立や、簡易裁判所に少額訴訟を起こすという方法もあります。債権回収会社を利用して販売代金回収を行っている通販会社もあります。
今後は日本でも債権回収会社の利用が増えそうです。諦めかけている売掛金があったら、試してみるのも一考かと思います。

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◆2003年10月号

この時代に、経常利益率20%超の利益を上げている驚異の会社があります。
株式会社サンマルクがそれです。 他社に真似のできない“オンリーワン”のもの、それがキーワードです。

伸びる会社、伸ばす方法

先週、創業13年で飲食店経営とそのフランチャイズの事業展開で一部上場を果たした株式会社サンマルクの社長を岡山の本社に尋ねました。 経営理念、経営方針、決算数値等について率直に話して下さる社長の姿勢に、すっかりファンになってしまったのですが、それはさておきまして、社長よりお聞きした話の中で、業種を問わず、会社を発展させる共通のポイントと感じたものが いくつかありました。今月はそのことについて以下に述べてみたいと思います。

◇経営理念の進化、昇華
成功した会社の経営理念というと、ソニーの設立趣意書のように、会社設立時から高い社会性を備えた素晴らしい経営理念を 思い浮かべます。その上で、「成功する人というのは、そもそも会社設立時から違うのだ。」と、違う人種を見るように眺め、 諦めてしまっています。
しかし、サンマルクの社長は、会社を興した理由について、当初は「今より多く稼ぎたい。 もっと収入を増やしたい。」という個人的な動機が会社を興した理由であっても、それがやがて、親兄弟や親戚といった親族が事業に 関わると共に「一族皆の幸福のために。」と変わり、やがては「従業員、お客様、取引先・・・・皆のために」と経営理念が会社の発展と 共に進化、昇華していくということを話されたのです。
経営者も経営理念も会社の成長と共に進化成長していくのですね。 レストラン事業を手がけたのも、大学卒業後手伝った親戚が洋菓子店だったことから、“焼きたてパンを売りにしたレストラン” をやってみようと考えたのであり、そのレストランの経営に失敗したために、その責任感から会社を作ったと言われていました。

◇1号店失敗の教訓 〜職人に依存しない仕組みを作る〜
洋菓子店の一角で始めたレストランの経営が失敗した理由は、職人に依存する経営の危うさだったといいます。 レストランのお客様にいつでも焼きたてパンを提供したいと考えた社長に対して、職人さんたちは猛反発をし、社長の方針に従わないばかりか、全員で作業場から帰ってしまったり、退職をちらつかせて交渉を迫るといったことが行われたようです。
職人さんたちは、早朝から作業にかかり、お昼頃には仕事を終えるというのが日常で、レストランの営業の中心である夜に焼きたてパンを提供したいという社長の方針は、職人さんたちには受け入れられなかったのです。
この失敗を教訓として、社長は、職人の腕に依存する従来のやり方からの解放を考えました。徹底したマニュアルの作成により職人を 必要としない仕組みを作り人件費を抑えることに成功したのです。材料は世界各地から安く調達し、人手のかかる材料の下ごしらえは 人件費の安い中国の工場に委託することによって、飲食店の二大原価である材料費と人件費を抑えることに成功したのです。 このことが脅威の利益率を上げられる要因となっています。

◇売上予測が材料の発注になる仕組み
飲食店において、食材の発注というのは経験とノウハウが必要な大変重要で難しい仕事です。サンマルクではそれをシステム化する ことによって、食材の発注業務を店舗の売上見込みを入力することによって行えるようにしています。
そこにコンピュータシステムを介した店舗マネジメントのプログラムがあります。
最適の食材の組み合わせと、その売り方まで指示するというのですから、 フランチャイジーとしては、店舗経営のノウハウがなくても経営できるわけです。

◇狙う市場は
成熟し、価格競争が起きている分野に進出して、価格競争から一線を画し、価格に飽き足らず、より満足度を求める 消費者をターゲットにして、“高級感を出した店構え”、“人手をかけている感じ”により高級感を演出して、“中の上、 上の下の顧客層”を狙う戦略をとっていることが成功の秘訣です。
価格競争に巻き込まれたら、資本力のあるものが勝ちます。中小企業は価格競争では生き残れないのです。中小企業が生き残る道は、大企業にはできない分野、その意味ではニッチな分野に 進むしかないのです。
このことは全ての業種について言えることだと思います。

◇資金がなかったからフランチャイズ展開を考えた!
店舗を二つ出したところで、それ以上の展開が資金的に困難と考えた社長は、資金がなくても発展できる仕組みとしてフランチャイズ 展開を考えたと言っていました。
売上が増えるに従って増えていくような仕事は外注で賄し、材料発注システムのような基幹システム の開発は社内で行なうという会社の強みを生かし、ノウハウを守る経営方針を取っています。私が尋ねた岡山の本社には、 20人の社員しかおりませんでした。
社長の口からは市場調査と積み上げた実績による説得力のある数字が次々と出てきます。
経営の勉強も随分となさったように感じました。 フランチャイズに加盟しているのは、青山商事のような中堅企業です。そういう会社をその気にさせるのですから、客観的な数字の裏付けが必要なのですね。これからの経営者の姿を見た思いがしました。

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◆2003年9月号

「会社が儲かっていることと、現預金が残っていることとは一致しない。」というのが今までの会計であり、決算税務申告でした。 でも、“どうもピンとこない”というのが実感なのでは?

キャッシュフロー経営を考える

◇棚卸のマジック
棚卸の金額如何で、利益に大きな変動が出るということを、少なからぬ皆さまが経験なさっておられるのではないでしょうか。 棚卸によって、黒字予測から一転して赤字になってしまったというようなことも起こります。これは、一体なぜなのでしょうか。

それは、売上原価の計算の仕方に起因します。期中において仕入れた商品は、“商品仕入高”という費用(売上原価)として経理されています。 ところが、決算にあたって売れ残った商品は、期末棚卸高として当期の“費用”から除いて商品という“資産”に振り替えられるのです。

「費用が財産になる。」これが棚卸です。なぜ費用が財産になるのかといいますと、“費用収益対応の原則”という会計の基本原則があって、 これは売上とその売上を上げるために貢献した費用とは対応するように計上しなければならないという会計学の基本的な考え方なのです。

その結果、今期売れなかった商品は、今期の売上には貢献していないわけですから、今期の損益計算から除外(期末棚卸高)して、 来期以後の商品が売れた時の費用にするために、貸借対照表の資産の部に商品(棚卸資産)として計上することになっているのです。
棚卸商品は現金や預金と同じ会社の財産なのです。

◇どっちの会社が儲かっているか
皆様は、次のA社とB社とではどちらの会社が儲かっていると思いますか。

<A社>
損益計算書

売上高 1,000万円
費用 △800万円
当期利益 200万円

貸借対照表

現金預金 0 資本金 300万円
商品 500万円 当期利益200万円
資産計 500万円 負債・資本計500万円


<B社>
損益計算書

売上高 500万円
費用 △400万円
当期利益 100万円

貸借対照表

現金預金 390万円 資本金 300万円
商品 10万円 当期利益 100万円
資産計 400万円 負債・資本計400万円

どうでしょうか?
会計や税務の世界では、A社の方が儲かっていると言います。なぜならば、A社は利益200万円、
それに対してB社の利益は100万円だからです。

しかし、キャッシュはどうでしょうか?
資本金300万円を元手にして始めたA社とB社ですが、 A社は計算上、利益を200万円稼いだのですが、その利益と元手は全て棚卸商品になってしまっています。
その結果、手許には全くキャッシュが残っていません。

これに対してB社は、利益から90万円のキャッシュを増やしていますので、 資本金とあわせて390万円のキャッシュを持っています。
さて、どちらの会社が儲かっていると言えるのでしょうか。

◇複雑になった会計を分かり易く
上記は、極端に単純化してお示ししましたが、実際の会社はこれよりもずっと複雑です。
売掛金・買掛金といった掛取引や手形取引などの信用取引が増え、貸借対照表にはキャッシュ以外の資産が沢山載っています。 売掛金の中には、もはや回収できないものまで含まれているかもしれません。ゴルフ会員権や保養施設が資産として貸借対照表に計上されている場合も少なくありません。その金額は購入した時の価額(取得原価)のまま、会社の財産として、現金や預貯金と同じように資産として扱われています。
しかし、これをキャッシュにしようとしたらどうでしょうか。売ったら1/5にしかならないというようなこともあります。売れたらまだ良い方で、売るに売れない、買い手が付かない、ということも多々あります。

銀行の不良債権問題も、日本道路公団の債務超過の財務諸表の問題も、 貸借対照表の資産の査定をどうするかによって、経営に対する見方が全く変わってしまうことを意味しています。評価という問題が、 財務諸表の数字を変え、会社の実体を分かりにくくしてしまっていると言えます。
そこで、会社はどれだけのキャッシュを稼いだのか、 現実にどれだけのキャッシュを持っているのか、という視点で会社の財務状況を見てみようという動きが起こっています。
これがキャッシュフロー計算書です。
これはまた、損益計算書重視から貸借対照表重視への転換でもあります。 今までがあまりに期間損益計算に偏り過ぎていたという弊害を是正し、確実なキャッシュの流れで資金の調達(貸借対照表/貸方)とその使い道、すなわち運用(貸借対照表/借方)を分析し、会社経営に役立てようというものです。
これにより、会計が皆様の感覚により近いものになるはずです。

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◆2003年8月号

◇平等であることが公平であるとは限らない!
社員の定着とその能力の開発の問題は、会社の規模に関わらず、常に最重要課題です。
一般に、今までは従業員の能力に応じて、 給料に差を付けることを避ける傾向がありました。
客観的に見て、明らかに能力や働き方に差があると思われる場合でも、 入社時期が同じというだけで、同額にされていた場合が多かったようです。給料計算を従業員が行っている場合では、お互いの給料が分かってしまうので、従業員間のあつれきを生じさせたくないという気持ちも働くようです。 しかし、この問題は、社長か奥様が給料計算をされるか、外部に給与計算の業務委託をされれば解決することです。それよりも、給料体系をオープンにすることによって、従業員をやる気にさせる給与体系の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

◇従業員をやる気にさせる人事・給与
人間、やる気が起こるのはどういう場合でしょうか。 私の場合は、

1 やってみて、
2 それが結果に表れ、
3 それが正当に評価され、
4 その見返りがあることで、
5 次もまた頑張ろうという気が起こります。

見返りは、何も金銭的なものとは限りません。 このやる気の好循環を会社に作るためには、何が必要でしょうか。それは、“成果を上げた者を評価し処遇する” という原則が必要です。
やってもやらなくても同じというのでは、会社全体の活気を無くし、 頑張っている人も段々とやる気を無くしていってしまいます。評価し処遇するとは言っても、 人を“評価”するのは難しいものです。本人は頑張っているのだけれど、どうもそれが独りよがりで、 会社としては、それ程には評価できないという場合もあると思います。 評価するには、“評価のモノサシ”が必要です。
どういう行動をとれば、どういう結果を出せば、 会社が評価するのかを明示しておく必要があります。その評価のモノサシはできるだけ客観的なもの、測定できるものが好ましいと言えます。
一人当たりの売上高とか、新規顧客拡大件数とか、数字で結果が測れるものが分かりやすく、客観的で一般的に納得が得やすいようです。
そうは言っても、何もかも数字で評価するのでは味気ないと思われる向きもあるかもしれません。数字には表われない部分も評価したいといった場合には好ましい行動様式を列挙し、それが良くできている人は5点、普通の人は3点、 できていない人は0点、逆に迷惑行為をしている人は△3点等、数字に置き換えて、評価に加算する方法もあります。 ちなみに、幣事務所では、「業務能力適格性評価シート」を作っています。これは

1 事務所として職員に習得して欲しい能力、
2 職員も評価して欲しいと思う事項を互いに出し合って、協議の上で作成しています。

この評価シートに沿って、まず各自が自己評価を行い、 それをもとに面接によって評価のすり合わせを行い、その評価をもとに給与が決まる仕組みになっています。
おかげで、給与の問題で悩まされることは、大分少なくなりました。評価によって給料に差が生じることですので平等ではありませんが、 やる気のある社員、頑張っている社員を正当に評価する公平な仕組みではないかと思ってやっています。

◇試してみる価値あり、債権回収
皆さんの会社で、長期間回収できないでいる売掛金はありませんか。理由は様々ですが、多くの場合には回収を諦めている場合が多いようです。そこで、“だめもと”の意識で、請求書を出しなおし、 電話で督促してみて下さい。催促をする上でのポイントは、

◎“売掛金の存在をまず、相手に認めてもらうこと”です。

そのためには、

1 いつ発生したものであるか。
2 何に対する請求であるか。
3 支払期日はいつであったか。

を、当方で説明できるように準備をしてから電話をすることが大切です。債権回収は常に“時効”を意識して行います。 卸売業の売掛金なら2年、料理店の飲食代なら1年で時効です。
「時効だから払わないよ。」と言われたらおしまいです。 でも、たとえ時効が成立するような期間が過ぎていたとしても、相手が払うという限り、時効は成立しません。 「申し訳ない。支払いたいのはやまやまなのですが、一度に支払うのはどうも・・・。」という返事をいただけたらしめたものです。
分割払いの話を具体的に進めて、支払額、分割回数、支払方法(振込みにしてもらった方が楽です。)を書類にして、相手のサインをもらいます。 これで、時効は中断、つまり、あらためて最初から時効のカウントが始まるというわけです。債権回収を代行してくれる会社があるのをご存知ですか? 数千円の小口の売掛金も回収してくれます。回収の仕方は何と電話なのです。
支払いの約束をした期日の前日に必ず電話を入れるというだけで、 かなりの成果があがるそうですよ。試してみる価値はありそうです。

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◆2003年7月号

◇体力のある会社って?
体力のある会社とは、どのような会社を言うのでしょうか?経営分析的に言えば、それは自己資本比率の高い会社ということになります。

自己資本比率とは、= 自己資本(資本の部合計)/ 総資産

つまり、総資産に占める自己資本の割合です。この比率が高い会社ほど体力があると言えます。つい最近の「りそな銀行への公的資金注入」も、この自己資本比率が4%を割り込むという状況になってしまったことがきっかけと言われています。それほど重要な自己資本比率ですが、では、この比率を高めるのにはどうしたらよいのでしょうか?

方法は二つです。一つは分子である自己資本を増やす方法です。これには、

(1)増資により資本金を増やす方法と
(2)利益を出して内部留保を図る方法とがあります。

もう一つの方法が、分母の総資産を圧縮する方法です。
銀行が融資を渋るのは、貸付金という資産を増やしたくないからです。増やしたくないどころか、貸付金を減らそうとして、 “貸しはがし”と言われる状況まで引き起こしています。
これによって、地域の老舗と言われる中小企業が倒産の憂き目に遭っているという話さえ 耳にします。
借入金に依存していると、このように銀行の対応の変化によって、経営の存続すら危うくなってしまうこともあるのです。これまで、日本の会社の多くが借入金に依存した経営をしてきました。この経営の体質を、これから筋肉質の体力のある会社に変えていかなければ ならないのです。
無借金経営の会社が如何に強いかは、トヨタの例をみるまでもなく、お分かりのことと思います。

では、無借金経営の会社にするには、どのようにすればよいのでしょうか?それは、利益を出すことです。まずは、会社の運転資金を賄えるだけのキャッシュが会社に残るようにしましょう。手始めに、1ヶ月の会社の「仕入資金と経費、借入金の返済分」が現預金に残っているようにしましょう。これで、資金繰りが随分と楽になります。 しかし1ヶ月分の現預金では、季節による売上の増減によって、一時的に資金が足らなくなることがあります。 キャッシュフローは潤沢にあるにこしたことはありません。キャッシュを意識した経営に体質改善していきましょう。

◇利益を出さないとキャッシュは残りません!
戦後の高度経済成長期からバブルの崩壊に至るまで、中小企業の皆さまの中には「社長さまや奥さま、ご家族の皆さまの給料を支払うと、 会社は赤字」というような決算に、疑問も持たずに経営を続けてこられた社長さまもいらしたのではないでしょうか。 別に会社が赤字でも困ることはなかったのかもしれません。

ところが、今は赤字ですと、銀行が融資をしてくれなくなってしまいました。赤字が2期続いたら、新規融資はできないというのが、銀行のスタンスです。なぜならば、会社の借入金返済原資は、会社が稼ぎ出す利益だからです。 利益が出ていない会社では、借金が返せないという理屈なのです。実際の中小企業の実態は、銀行の借入金返済原資は「社長さまからの借入金」ということが多いので、赤字だから返済できないということにはならないのですが、銀行はそのようには見てくれないのです。

この数年、 日本の法人に対する税率は他の先進諸国に比べて高いということで、国際競争力の点からも法人税率を下げるべきだとの世論を受けて、法人税、 事業税、法人住民税が引き下げられ、今や、中小企業者の場合には、実効税率は30%強となっております。これに法人住民税均等割の7万円 (資本金1,000万円を超えたり、従業員数が50人を超えると高くなります。)を加えた税負担となっています。

従来からの「半分税金」というイメージと比較したら、随分と安くなったと思われませんか?
勿論、税金は安い方がよいというのが、 正直な気持ちだろうと思います。私もそのお気持ちはよく分かります。ところが、法人税には抵抗がある社長さまも、ご本人の源泉所得税となると、意外と無頓着でいらっしゃるのが不思議な感じがします。たとえば、役員報酬月額100万円の社長さまの毎月の源泉税は109,520円です。 資金繰りの関係で50万円は会社に貸し付けなければならないような状況であったとしたら、実際社長さまが家計で使えている金額は390,480円です。翌年には100万円の所得に対して住民税が課税されます。社会保険の負担も大変です。役員報酬を100万円計上することで、会社が赤字になり、 その結果資金繰りに支障をきたして、結局社長さまの給料が半分しか受け取れないような状況になってしまうのは、税負担の点から考えてもあまり得策とは言えなくなりました。

銀行も赤字会社への融資は厳しく、金利も高くなります。 まずは利益の出る体質、運転資金が会社のお金でまかなえる体質に改善していきましょう。これが時代の要請であり、新しい経営の考え方です。

詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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◆2003年6月号

◇がんばらなくてもいいよ
今までは、親が生きているうちに親の財産を子供に移そうとすると、莫大な贈与税がかかりました。そのため、親から子への財産移転はなかなか進まなかったのですが、今回の改正で、それが可能になりました。いわば生前相続とも言えるものです。この制度を利用して生前に贈与した財産と納めた贈与税額は、親の相続発生時に相続財産に合算して、精算する仕組みになっています。

◇相続時清算課税制度QandA
Q1.贈与税の非課税枠が広がったと聞いたのですが?
A1.
贈与税の基礎控除額は年間110万円で、従来どおりです。
しかし、今年の改正で相続税時精算課税制度ができ、親(65歳以上)から子(20歳以上)への贈与に限って、一定の要件のもとに、2,500万円までは贈与税がかからなくなりました。
Q2.10歳の孫にもこの制度を利用して贈与することができますか。
A2.
お孫さんについては、そのお孫さんの親である貴方のお子さんが既にお亡くなりになっている場合には、 代襲相続人である、お孫さんが推定相続人になりますから、貴方が65歳以上で、お孫さんが20歳以上であれば、 お孫さんへの贈与にも適用になります。
Q3.今後、親から子へ財産を贈与すると、この制度が適用になるのですか?
A3.いいえ、
この制度は贈与税の申告にあたって、受贈者がこの規定を受ける旨の「届出書」を税務署に提出した場合にはじめて適用になるもので、 自動的に適用になるものではありません。
Q4.子供の住宅取得資金を贈与した場合には、控除額が増えると聞いたのですが?
A4.そのとおりです。
お子さまが、一定の条件を備えた住宅を取得するためや、増改築をするために必要な資金をご両親さまがお子様に贈与なさる場合には、3,500万円までが非課税となります。
これは、お父様からもお母様からも受けられますので、お子様は合わせて7,000万円の住宅資金の贈与が受けられることになります。
また、通常の財産の贈与の場合には、贈与する親の年令が65歳以上でないと対象にならないのですが、この住宅取得資金等の贈与に限っては、親の年齢制限はありません。
ただし、20歳以上というお子さんの年齢制限はあります。
Q5.5,000万円の定期預金を長男に贈与しようと思います。贈与税はいくらになりますか?
A5.
非課税枠(特別控除額)2,500万円を超える部分については20%の定率で贈与税が課税されます。計算は以下のようになります。
(5,000万円−2,500万円)×20%=500万円
なお、この課税された贈与税額は、相続発生時に精算されることになっています。
Q6.父から3,500万円の住宅取得資金の贈与を受け、祖父からも住宅取得資金の贈与
550万円を受けることはできますか?
A6.できます。
今回の税制改正での3,500万円の住宅資金等の贈与では、祖父母からの贈与については対象となりませんが、 従来からあった550万円までの非課税制度については祖父母からの贈与も対象となります。
なお従来からの制度は平成17年12月31日まで存続します。
Q7.相続財産を評価したら、9,000万円ほどになりました。相続税の基礎控除額は相続人二人なので7,000万円になります。
今回の贈与税の新制度を使って2,500万円を生前の贈与しておけば、相続発生時には相続財産が基礎控除額以下になって、 相続税がかからないのではないかと思いますが、如何ですか?
A7.残念ながら、そのようにはなりません。
相続税の「相続時精算課税制度」と呼称されるように、今回の贈与税の非課税 (特別控除)制度を利用して贈与した財産については、相続発生時に再度相続財産に合算して相続税の計算をすることになっています。
従いまして、生前贈与したからと言って、相続財産がその分減少するわけではありません。
Q8.事業承継対策として、自社株を長男に生前贈与しようと思いますができますか?
A8.できます。
今回の制度では対象となる資産を限定していませんので、自社株も対象となります。
ただし、この制度を利用した場合には、相続発生時に加算される自社株の価額は贈与時の価額になることになっていますので、 時価が下がる可能性のある財産を贈与する場合には、そのリスクを考える必要があります。
Q9.小規模宅地等の減額の特例は使えますか?
A9.使えません。
土地を贈与する際にも小規模宅地等の減額の規定は適用されませんし、相続発生時に相続財産に加算する場合にも小規模宅地等の減額の特例は適用されないので、贈与する土地の選定にあたっては注意して下さい。
Q10.贈与を受けた財産が相続発生時に無くなっている場合は?
A10.
たとえ、お子さまが何らかのご事情で贈与財産を使い果たしてしまっていたとしても、相続発生時には受贈時の価額で相続税の計算がされます。 ご注意を。

詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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