世田谷区下北沢TKC小出絹恵税理士事務所
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社団法人北沢法人会
1997年11月号
・書き入れ時
・簿記は帳簿記入?
・先を読む
・経営者は元氣が一番
・小さな会社を作って大きく育てる方法

1997年9月号  【最近の経営者について思うこと 新設法人の皆様へ】
・まず、会社を作る
・準備周到型と突発起業型
・コンピューターはカラオケだ
・数字に強い社長は伸びる
・夫婦仲良く

1997年8月号  【社長のための 元氣になる 経営改善講座】
・生産性って?
・元氣になる経営改善のためのチェックリスト
 ・従業員一人当たりの生産性を改善するためには
 ・設備に対する投資効率を改善します。
・生産性分析の指標


1997年7月号  【社長のための 元氣になる 経営改善講座】
・固定費って?
・元氣になる経営改善のためのチェックリスト
  ・改善はまず認識すりことから始まります。
  ・改善すべき問題点の発見方法は?
  ・固定費の主要部分を占める人件費について考えます。
  ・予算を立てて経費の見直しをしましょう。


1997年6月号    【社長のための 元氣になる 経営改善講座】
・限界収益とは
・売上原価とは
・利幅をしっかりとるためには
・元氣になる経営改善のためのチェックリスト

1997年5月号  【社長のための 元氣になる 経営改善講座】
・事例:売上を前年の2倍に増やした会社
 ・この会社の特徴
 ・この会社が売上増加に成功した理由
・元氣になる経営改善のためのチェックリスト
 ・商品に魅力がありますか?
 ・顧客データを掴んでいますか?
 ・営業マンごとの売上を把握していますか?
 ・営業マンの業績評価と管理は?
・一年で業績赤字を全て解消した会社

1997年4月号  【経理課発 役立つ経営診断】
・前年に対して3割も売上減少に陥った会社の対策を考える。


1997年3月号 【経理課発 役立つ経営診断】
・消費税改定への対応 Q&A
・消費税の改定にはこんな準備も忘れずに




◆1997年11月号

「書入れ時」

 秋も深まり、今月は酉の市が各所で催されます。
商売繁盛を願い熊手を買い求める人々で、今年も賑わうことでしょう。

熊手でお金を掻き集めるというイメージが強いのですが、「帳簿の記入に忙しい時」の意味から、商売が栄えて儲かる時を、「書入れ時」と言うようになったということです。
 帳簿をつけることの大切が分かろうというものですね。
 「忙しいから後でいいや。」ではなく、忙しいからこそ、儲かっているからこそ、帳簿に記入する「書入れ時」なのです。


◇簿記は帳簿記入?

 簿記という言葉は、帳簿記入のまん中の二文字をとったもの、と聞いたことがあります。
 大航海時代のヨーロッパでは、一航海毎に清算して、出資額に応じて利益を分配していたそうですが、今はそうはいかないですよね。
 企業は継続を前提にして日々の営業活動を行っています。
 情報化された現在では、競争はより熾烈になっています。過去計算だけを行っていたのでは、大切な経営のための意思決定が遅れてしまいます。
 儲けを計算するために、取引を帳簿に記入する事から始まった簿記ですが、どれだけ儲かったかという過去計算をしているだけでは、ビジネスチャンスを手に入れるのは難しくなりつつあります。世の中のスピードが、それだけ早くなっているのです。
 過去の数字を記入するだけではなく、未来の数字を記入してみませんか?


◇先を読む

 評論家と言われる人たちでさえ、日本経済の先を読むのは難しいようです。
 しかし、社長が自社のこれからを語れないようでは、社員は付いて来てくれません。
 社長が夢を語り、自分たちの仕事の意義を語り、一緒に頑張ろうな。という姿勢を示してこそ、社員もやる気が湧くというものです。
 「先の見通しなんて、とても分かりはしない。相手のあることなのだから。」と言っていては、何も始まりません。
 道を開くためには、見通しを立てなくては。
 ただ、分からないで恐れているよりも、試算してみたら良いのです。
「なんだ、売上が仮にこれだけ下がったとしても十分やって行けるようになったじゃないか。」
 競合店の出店に脅えて、「どうしよう、どうしよう。」と、不安の固まりになるのではなく、基本を大切にお客様を見て商売をして行くことが、“ピンチは最大の飛躍の時”を実践することになると思います。


◇経営者は元氣が一番

 伸びている会社には、元氣があります。
 会社に、一歩足を踏み入れた途端に、明るさとエネルギーを感じます。社員にも元氣があります。
勿論、誰よりも社長さんに元氣があります。
 とは言っても、社長さんだって疲れます。
落ち込んだり、迷い込んだり、・・・。
大変ですよね。
 その時は、元氣のある人から、元氣をもらいましょう。
 同業者である必要はありません。却って異業種の方が良いかもしれません。
 チョットマンネリしていると思ったときは、伸びている同業者から刺激を受ける。
 かなり落ち込んでいると思える時は、異業種の元氣のある人に会う。
 心身に傷害が現れる程の状況になったら、仕事を離れ、思い切って休む。
 今までの価値観を変えるような出会いが、待っているかもしれません。


◇小さな会社を作って大きく育てる方法

どんな業種であっても
 元氣に挨拶をする。
 社長が早く出勤する。
 約束を守る。
 公私混同をしない。
 毎日掃除をする。
 といった、当たり前のことを当たり前にすることが、会社を伸ばすコツのようです。
 会社を尋ねても、
 「誰だ?」という感じで、ジロリと一瞥されるだけで、無視されることも多いものです。
 会社には、様々な営業マンが尋ねてきますから、一々まともに応対していたら、仕事にならないという事情もあるかもしれませんが、誰が尋ねてきても、元氣に「いらっしゃいませ」という会社があったら、「この会社は感じがいいな。」とアピールするとは思いませんか? 
 他社の営業マンが、当社の広報をしてくれることもあるかもしれません。

 笑顔は、お金の掛からない最高のサービスです。




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◆1997年9月号

最近の経営者について思うこと
新設法人の皆様へ



◇まず、会社を作る

 新設法人説明会の講師をさせていただくようになって足掛け10年になります。
 最近の傾向として感じることは、以前は会社を設立する理由の多くが、数年の個人事業の後に会社組織にするという、「法人成り」だったのですが、最近は「まず会社を作ってから事業を始める。」という設立の仕方が目に付くようになったということです。
 “退職金を元手に株式会社を設立”という方も見受けられます。

◇準備周到型と突発起業型

 「準備周到型と突発起業型とでは、どちらが成功するのでしょうか?」と尋ねられたとしたら、「過ぎたるは及ばざるが如し」と答えるしかないと思います。
 会社設立に際して、何の準備や目論見もなく始めるのは無謀です。
 「取りあえず会社を作ったけれど、さあこれから何をやろうか。」などという方も実際におられますが、これでは余程運が良い方は別として、成功はまず、おぼつかないでしょうね。
 そうかといって、今流行の企業家セミナーを渡り歩いて、起業の勉強をすることで満足しているような方も、これまた疑問符です。
 「自分でまず動く」という態度が必要です。企業家セミナーの講師になる側とそれを聞く側の違いは、「現に会社を起こして私はこうやっています。」ということが言えるかどうかの違いなのですから。

◇コンピュータはカラオケだ

 最近設立された法人の経営者の方々と接していて感じることは、コンピュータを使うことに全く抵抗がなくなっているということです。
 コンピュータを何らかの形で使っているという方が増えています。ワープロを使っていたとか、古いダイナブック(ノート型パソコンの先駈け的コンピュータ)を持っているとか、・・・
 エクセル等の表計算ソフトを使って簡単な売上集計表を作ったり、予算対比を行ったりしている経営者もおられます。会社のホームページを自分で作った社長もいます。(現在はホームページを簡単に作れるソフトもあります。)
 今や、コンピュータは、それほど特別な知識が無くても使える便利な道具になっているのです。
 コンピュータはカラオケと同じです。
 「私はオンチだから。」と、逃げているよりも、マイクを持ってみれば、結構みなさんお上手ですよね。歌えば歌うほど上手くなるように、コンピュータも、とにかく使うことだと思います。

◇数字に強い社長は伸びる

 対前年比600%
 設立したばかりの会社では、そんなことも起こります。
 アップ率150%や200%も当たり前なのが、設立当初の会社です。(売上が増えてくると、対前年比10%増も大変なことですが。)
 売上を伸ばしている会社の社長さんに共通しているのは、数字に強いことです。
 一ヶ月の目標売上高を定め、それを一日毎に落とし込み、その目標としている売上高と実際の売上高とを対比して、達成率も毎日算出している会社があります。社員が、毎日の売上高を、その表に書き込んで、社員を巻き込んだ業績管理をしています。
 「業績が良いから数字を見るのが楽しいのか、数字を見ているから業績が上がるのか、何だか鶏と卵の関係みたいですね。」とは、その社長さんの弁です。 

◇夫婦仲良く

 社長さんが結婚している場合には、夫婦仲の良いことが、会社を伸ばす秘訣です。
 朝、出かけに夫婦喧嘩でもしようものなら、仕事にも気分が乗りません。特に男の方はデリケートにできているせいなのか、切り替えが苦手なようです。
 「男が一歩外に出れば七人の敵」とはちょっと古い言い方ですが、厳しい経済情勢の中で日々戦っている経営者にとって、心から安らげる家庭の存在はとても大切です。家庭が安らげないと、自分の居場所が無くなってしまうのです。
 別に、妻は夫のために滅私奉公をせよ、なんて言っているつもりは毛頭ありません。ただ、税理士という仕事を通して社長さん方を拝見していると、「しんどいなあ、大変だな。」と感じることが多いものですから、経営者の大変さを、ぜひ配偶者の方に理解していただきたいと思うのです。(最近は女性も、ビジネス社会の中で、男性と同じようなストレスを感じる人が増えているようですね。)
 会社にとって、奥様は、大変な戦力です。給料が安くても、残業代が無くても、我が事として、真剣に仕事をしてくれます。他人事ではないから、つい口うるさくなってしまうことっもありますが、それだって、「出来るだけ文句を言わないようにしよう。」と自分に言い聞かせながら、懸命に会社のために頑張っているのです。
 「うるさいから」とか、「お金が自由にならないから女房には会社に越させない。」などど言わずに、家庭でも仕事でも最良のパートナーとなりたいものですね。
 社長が仕入れから製造、営業、経理まで、何から何まで一人で行うのは大変です。つい、そのしわ寄せで経理もおろそかになりがちです。
 そうかと言って、経理は誰にでも任せられると言うものでもありません。その点、奥様なら、何よりも信用ができます。経理経験が無くても、会社のため、夫のため、家族のため、という強い使命感がありますから、慣れない仕事も覚えてくれます。
 そんな素晴らしい能力を持っている奥様の力を活用しない手はないと思うのです。(別に男女差別をしているつもりはありませんから、妻が社長で夫がそれをバックアップするという在り方があってもよいと思います。)
 配偶者にもしっかり給料を支払って、仕事もしっかりやっていただく、それで夫婦仲良く、ハッピーといきたいものですね。


◇税務調査の多くが密告?

 3年に一度の定期的な調査以外の調査は、そのほとんどが密告によるものであると、つい最近聞きました。
 「たれ込み」と言うと、あまり響きはよくありませんが、映画のマルサの女のようなことが、実際の現場にも結構あるということです。
 いったい、どのような人が密告をするのでしょうか。
 元従業員、元愛人、同業者というのが定番ですが、元妻と言うのもあるそうです。
 人の心の裏側まで推し測るのは、困難です。いつ、どこで人の恨みを買っているかわかりません。
逆恨みによる殺傷事件や放火の新聞記事を目にすることも度々あるくらいですから。
 
◇身辺は清潔に
 いつ、逆恨みで密告されないとも限らない世の中ですが、身辺を清潔にしていれば、何も恐くはありません。
 清潔にするというのは、「ごまかさない、騙さないと言った心の有り様と生活態度」です。 
 今の世の中は抗菌ブーム、何事に対しても、汚いことに対しては過敏に反応します。
 官官接待に始まり、第一勧銀や野村証券の問題も、長年の悪しき慣習を引きずる幹部に対する内部告発が



こんなことがありました。

夫婦っていいものですか?
 
そりゃあ、いいですよ。
 朝から晩まで、安い給料でも一所懸命に働いてくれる人が他におりますか。

何よりも信用できる相手というのは、貴重です。


女房は会社に越させないようにしています。

 
どうしてですか?
いちいち、これは何に使ったんだとか、接待交際費の使いすぎじゃないかとか、うるさいじゃないですか。
息抜きもできやしない。
いや、私事を会社に持ち込みたくはないですからね。だいいち、従業員もいやがりますよ。
全く夫婦と感じさせないくらいに、公私のけじめをつけておられる方はいらっしゃいますけどね。



税理士さんてすごいですね。だって、主人の浮気を見つけてしまうのだから。
 
いえ、浮気までは。
 ただ、お金の動きがおかしいと言っただけですよ。



 なかなか現金管理ができない方がおられました。現金出納帳を付けていくと、飲食業ですから、毎日現金が入るのですが、現金出納帳をつけて、実際の現金有り高と付け合わせる。これをしていないと、
現金残がマイナスになってみたり、・・・これは、所長が会社の経費を立て替えている場合に発生します。
逆に現金の残高が数百万円あることになってみたり、・・・これは、社長が会社のお金を私用に使っている場合に起こりがちです。
いくら、現金出納帳を付けて下さい。とお願いしても、つけていただけない。



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◆1997年8月号

社長のための 元氣になる
 経営改善講座

 「生産性」という言葉を耳にされることも多いと思います。
 「生産性をあげろ。」と掛け声をかけるだけでは会社は動きません。何をどういうふうにすることが、生産性の向上につながるのか。
 今月は生産性アップについて考えてみました。

◇生産性って?

 生産性とは、投入した経営資源に対して、どれだけの成果があげられたかを言います。
 ヒト、モノ、カネなどの経営資源をどれだけ使って、どれだけの成果をあげることができたか。「少ない投資で大きな成果」を上げることのできる会社が生産性の高い会社ということになります。

元氣になる  経営改善のためのチェックリスト


◆従業員一人当たりの生産性を改善するためには

 まずは「何を単位として生産性を判断するか」ですが、従業員単位、営業員単位等の「人」を基準として生産性をチェックする方法がよく採用されています。
 
1、当社の営業員別生産性は?
 営業員一人一人の付加価値を集計します。
それが難しいようならば、売上高を集計します。

*付加価値とは
 自社で新たに付け加えた価値のことです。

付加価値
=売上高ー(仕入高・外注費等の外部購入費用)

 だいたい粗利益と思っていただいても良いと思います。
 売上高ではなく付加価値で評価するのは、1万円の商品を仕入れて1万円で売っても、価値を上げたことにはならないからです。




@一番高い売上げをあげている営業員は
(                     です。)
その売上高と粗利益は
(売上     円、 粗利     円です。)
その給料・賞与・福利厚生費は
(年間                 円です。)
A一番少ない売上げの営業員は
(                     です。)
その売上高と粗利益は
(売上      円、粗利     円です。)
その給料・賞与・福利厚生費は
(年間                 円です。)
B二人の営業の仕方に違いがありますか?
(                          )
C自社のトップセールスマンのノウハウを他のセールスマンにも導入できませんか。


2、複数の販売ルートがある場合には、ルート別の売上高を集計します。

@ 一番高い売上げを上げる販売ルートは?
(                           )
その販売ルートから上がる粗利益は
(                           )
A一番低い売上げの販売ルートは
(                           )
その販売ルートから上がる粗利益は?
(                           )
B売上げを上げる方法はありませんか?
C販売ルートの見直しはできませんか?


3、売れ筋商品を把握します。

 労働生産性を上げるためには、従業員の数(又は給料等)を減らすか、一人当たり粗利益を上げるかのどちらか(またはその両方)をする必要があります。
 売上げを上げるためには、取り扱い商品そのものの吟味が欠かせません。
 商品毎に、商品名、販売数量、販売額、粗利益率を一覧表にし、商品のABC分析を行います。

@一番売れている商品は
(金額では                です。)
(販売数量では             です。)
A売上高上位3品目で売上高合計の何パーセントを占めていますか?
(                   %です。)
B売上高の80%を何品目の商品で占めていますか?
(                   品目です。) 
Cほとんど動きの無い商品はありませんか?
(                           )
 その商品の取り扱いを止めることはできませんか?


◆設備に対する投資効率を改善します。

機械・設備毎の稼働率、利用率を調査します。
@ 買ってはみたものの、あまり利用されていない設備はありませんか?
(ない・ある→名称          金額    円)
A生産ラインごとの生産性は?
B各工程の生産能力にばらつきはありませんか?
Cリースに切り替えることはできませんか?

→ 各工程の生産能力にばらつきがあると、結果として、一番低いものに合わせるようになってしまいますから、能力のある機械・設備が無駄になってしまいます。
 また、機械・設備によっては、購入しないで、使う時だけ借りて使った方が、使用頻度を考えると効率が良いという場もあります。
投資額に見合った成果が上げられるかを、常に念頭において経営をする必要があります。


生産性分析には下記のような指標があります。

@労働生産性

 労働生産性とは、「従業員一人当たりの利益(付加価値)」を言います。
 具体的には、従業員一人当たり1000万円儲けていA社と、800万円儲けているB社とでは、A社の方がB社よりも労働生産性が高いと言えます。

A労働分配率
 そうは言っても、給料の額が違うのですから、単純に従業員一人当たりの利益だけで、生産性を判断するのは片手落ちのような感じがします。
 そこで、その会社にとって、人件費がどの程度の負担になっているのかを知るための指標が「労働分配率」です。
 労働分配率=    人件費        
 付加価値(粗利益)

B加工高設備生産性
 投下した設備に対してどれだけの付加価値(粗利益)をあげているかをみる指標です。


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◆1997年7月号

社長のための 元氣になる
 経営改善講座

 これまで5月号で「売上アップの図り方」、6月号で「限界利益の引き上げ方」について考えてきました。今月は経費(特に固定費)のスリム化について考えます。


◇固定費って?

 固定費というのは、売上げの増減に関係なく発生する費用ですから、固定費が高いと、その固定費を賄うために多くの売上げが必要になります。
 売上げが無くてもかかる費用が多いと、その分赤字が広がります。正社員をたくさん抱えた、受注の減った建設会社を想像すると解り易いと思います。

→ バブル期に膨らんだ高コスト体質を改善し、スリムなフットワークの良い会社に体質改善することが、多くの会社に求められています。
 固定費が低い会社は経営環境の変化(売上高の減少等)にも柔軟に対応できます。



元氣になる  経営改善のためのチェックリスト


◆改善はまず認識することから始まります。
 周りから見ていると、「ああ、あんな事をして。大丈夫かな。」とか「もう少しこうすれば、もっと良くなるのに。」と思われることでも、当の本人がそれに気づいていなければ、改善することはできません。改善は改善すべき問題点を認識することから始まるのです。

1、改善すべき問題点の発見方法は?

@我が社の現状の固定費を把握します。

 何が固定費か解らない場合には、材料費と商品以外の費目を固定費と考えて、勘定科目毎の金額を見ます。
 その科目毎の金額を合計したものが、我が社の固定費の額です。

 いかがですか?

 改めて眺めてみて、「何でこの科目がこんなに多いのだ。」とか「この金額をもっと少なくできないかな。」と思われたら、科目毎にその内容をみてみます。どういうものに、どれだけ使っているかを把握するのです。

A上記@でみた科目毎の金額を5年分比較して見て下さい。

 こうすると、固定費の上昇が一目瞭然にわかります。その中でも、ほとんど金額が変わっていない科目があるかと思えば、ある年から突然倍に増えたような科目もあったりします。

 「なぜ?」
 「どうして?」
 これが、気づきの第一歩です。

B上記で一覧にした科目の内容を確認します。特に接待交際費については、使途とその効果とを冷静に考えて、その必要性を吟味します。

→ 問題点の発見は経営活動の結果として現れた決算書や現場から始まりますが、その改善は経営トップから行われるほど、その効果は高くなります。
 
2、固定費の主要部分を占める人件費について考えます。

@当社の適正人員は?
 (今の売上げに対して       人)
 (経営戦略             人)
A社員の給料はそれぞれの能力に見合っていますか?
 ( 適正だと思う ・ 払い過ぎ ・ 少し低い )
B賞与の支給基準はありますか?
 (  ある ・  ない  )
C支給基準の決め方は?
(                           )


→ 現在は生活保障的意味合いの給与手当てから、能力と実績に応じた給与手当てへとその性格が変わってきています。
 特に、賞与については、成果配分の比重が増えています。賞与は会社の業績と本人の仕事上の成果、貢献度により支給するようにしたいものです。

3、予算を立てて、経費の見直しをしましょう。

@科目毎に予算をたてます。その際に、果たしてその業務が必要なのかを改めて考えます。

  その仕事は必要ですか?

  別の方法はありませんか?
A使用量や使用頻度を減らせませんか?
(                           )
B購入単価を下げられませんか?
(                           )
C予算の管理責任者は誰ですか?
(                      です。 )


→ 予算を立てても、予算管理をしなければ効果は半減します。どういう費用を誰が管理するのかをきちんと決めて、責任ある予算管理の実を上げたいものです。



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◆1997年6月号

社長のための 元氣になる
 経営改善講座

 先月は売上アップの方法を考えました。しかし、「売上アップ=(イコール)利益アップ」という具合にいかないこともあります。
 大切なのは、売上アップによって、会社に利益がもたらされるということです。極端な場合には、売上がアップしているのに利益がダウンするということさえあります。
 そこで、今月は売上の増減に直接対応する経費(変動費)を支払った後の利益(限界利益)をアップさせる方法について考えてみましょう。


◆限界利益とは
 売上高から変動費(代表例は売上原価)を差し引いた後の利益を限界利益(≒粗利)と言います。

◇売上原価とは
1、卸売業や小売業の場合は

売上げた商品の仕入原価のことです。
 しかし、当期の仕入額を合計しただけでは、売上原価は計算できません。当期仕入高合計(今期1年分では当期商品仕入高と言います。)に前期からの在庫商品(期首商品棚卸高)を加え、そこから期末の在庫商品(期末商品棚卸高)を差し引いて、当期の売上に対する原価を計算します。

2、製造業の場合は
 製造した製品のうち、今期販売された製品の製造原価が売上原価となります。
 当期の製品製造原価を計算し、その金額に期首製品棚卸高を加え、期末製品棚卸高を差し引いた金額です。

◇利幅をしっかりとるためには?
 
 (限界利益率を上げるためには)
 利幅をしっかり取るということは、利益率を上げるということです。
 そのためには、どうすればよいのでしょうか。

元氣になる  経営改善のためのチェックリスト

◆まず過去の売上高、売上原価、材料費、外注費、粗利(売上総利益)、利益率(売上高総利益率)の推移を一覧表にして見て下さい。

1、売上高が上昇(低下)したのはなぜですか?


@特別な注文が入った(なくなった)から。
(〇〇年 ××会社 〇〇〇万円・・・等  )
 
 
 
A得意先が増えた(減った)から。
(年度毎に    増  件 ・ 減  件
増えた主な得意先
減った主な得意先                )
B店舗を移転・増設(撤退)したから。
(                           )
Cヒット商品があった(なくなった)から。
(                           )
D取り扱い商品が変わったから。
(利益率の高い商品が  増えた ・ 減った)
Eその他
(                           )

→ 過去の数字の推移を眺めていると、その当時の状況が浮かんできます。数字は会社の営業活動の成果を正直に示しています。原因があって、結果があります。数字には、それぞれ理由があるはずです。原因を考えていくことによって、対策も見えてきます。

2、変動費率は下がっていますか?

 変動費 ×100=変動費率

売上高
(上がっている・変わらない・下がっている )

 → 変動費というのは、売上の増減によって変動する費用ですから、この比率が高いということは、費用(売上原価、材料費、外注費などの変動費)が高いということです。
 この比率は低い方が良いのです。

3、原材料費を引き下げることはできませんか?
@仕入単価を引き下げることはできませんか?
(                           )
A低価格品に切り替えることはできませんか?
(                           )
B不良品の発生を減らすためには?
(                           )
C原材料を効率的に使うためには?
( 原材料の共通利用はできませんか?  他 )



D発注のタイミングは?
( 原材料の在庫切れ・ 二重発注・過剰在庫 )


4、外注費は下げられませんか?
@外注単価は下げられませんか?
(                           )
A社内で行うことはできませんか?
(                           )

 → 外注先と良好な取り引き関係を維持するのは大切なことですが、それが取り引き関係の無駄や甘えになっていないかどうかをチェックします。一方的な価格の引き下げ要求というのではなく、業務分担の見直しなども含めて、協力をお願いするという姿勢で行いたいものです。

5、売価を引き上げることはできませんか?
@取り扱い商品を高額品にシフトすることはできませんか?
(                           )
A値引額を押えることはできませんか?
 (値引しない販売方法はとれませんか?
  値引率の上限を決めていますか?
  値引きに代わる販促方法は?
  顧客毎の価格交渉の癖を把握していますか? 他    )




B返品率を押えることはできませんか?
 (事前の商品説明の仕方は?
 破損の生じない包装・発送方法は?)





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◆1997年5月号


社長のための 元氣になる
 経営改善講座

 売上の減少に陥っている会社が多い中で、逆に売上を伸ばしている会社もあります。その違いはどこにあるのでしょうか。
 自社の経営資源を見直して、経営改善に取り組みませんか。
 今月は、1年間で売上を2倍に増やした会社を例に、売上を増やす方法を考えます。


事例

売上を前年の2倍に増やした会社
 この会社は宝石の小売販売をしている会社です。宝石というのは、生活必需品というよりは、むしろ贅沢品と言える物ですから、消費切り詰めの対象になり易い物品です。宝石店はどこも売上の減少に苦しんでいます。ココ山岡の倒産を知らせるニュースを聞いたのも最近のことです。このような厳しい業界の中で、売上を2倍に増やした会社があるというのは、まさしく驚異です。
 この会社はどうして売上を2倍にも増やすことができたのでしょうか。

◇この会社の特徴
1、取扱い商品の差別化
   どこにでもある、似たような商品ではなく、デザイン性に優れたオリジナリティのある商品を扱っている。
2、顧客情報の管理
   お客様の好みや、購買状況をデータ化し、ただ来店を待つという待ちの姿勢ではなく、購入する気を起こさせる働きかけをしている。
3、新規販売チャネルの開拓
   既存の販売方法だけでなく、新しい販売方法を考え開拓を図っている。

◇この会社が売上増加に成功した理由
常日頃から、デザイン的に優れた商品を、デパートの販売価格の半額という価格設定で提供するという、商品提供力(仕入れ、デザイン、加工、サービス)が評価され、新規の販売チャネルの開拓に成功したことが、最大の売上増加要因です。


元氣になる  経営改善のためのチェックリスト

1、商品に魅力がありますか?
自社の優位とする商品はどれですか?
(当社の自信のある商品は                です。)
伸びている商品はどれですか? 
(                                です。)
新商品の開発や発掘はしていますか?
(  はい   ・   いいえ  )

 → 売れ筋商品を掴み、在庫管理をきちんと 行うことによって、販売チャンスを逃がさないようにしましょう。

2、顧客データを掴んでいますか?
お客様の生年月日は?(誕生日特別セール等)
過去の購買商品は?
購買頻度は?
好みは?

等のデータを蓄積し、効率的なダイレクトメールの発送や、仕入れ販売に役立てます。

 → 待ちの姿勢では、大型店に太刀打ちできません。顧客のデータを詳細に把握し、その顧客にあった品揃えをした上で、こちらから出向いてはいかがでしょうか。
 外商部門を設けるのも一考です。


3、営業マンごとの売上を把握していますか?

売上の伸びている営業マンは?
(                                です。)
その理由は?
(                                です。)
営業マニュアルを作れませんか?

伸び悩んでいる営業マンは?
(                                です。)
その理由は?
(                                です。)
営業日報は付けさせていますか?
(  はい  ・   いいえ  )
1日に何件訪問していますか?
(多い営業マンで       件
 少ない営業マンで     件
 一人平均          件です。)
訪問活動計画書を作らせていますか?
(  はい  ・  いいえ  )
計画的な訪問活動をしていますか?
(  はい  ・  いいえ  )
移動時間等の無駄が多くありませんか?



 → 営業マンが報告書や請求書の書類作成業務や、納品業務に割いている時間は意外と多いものです。作業別の時間を計算してみましょう。作業の無駄や各部署の連絡や連携の不備に気づく場合も多いものです。

4、営業マンの業績評価と管理は?
業績把握の仕組みはできていますか?
やる気を引き出す仕組みは?
成果に対する報奨は?

→ やってもやらなくても同じというのは、やる気を失わせます。平等は不公平になる場合も多いということを考えて、給与体系を作成する必要があるのではないでしょうか。


◆1年で累積赤字を全て解消した会社
 この会社は設立後5年になる生花販売業者です。
 生花の販売というのは、やはり店舗の立地が大変重要な要素です。
 しかし、この会社の場合には、必ずしも立地に恵まれているとは言えません。

詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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◆1997年4月号

経理課発
 役立つ経営診断

 今月は、前年に対して3割もの売上減少に陥った会社の対応策を考えます。

Q、当社は印刷関係の仕事をしております。
 この業界は、バブル崩壊後から、企業の広告宣伝費の削減の影響を受けて、厳しい状況が続いていますが、当社は何とか売上を維持してきました。 しかし、今期になって、売上が前期よりも30%以上落ち込む状況が続いています
 現在経費の見直しを進めていますが、アドバイスをお願い致します。
 当社の損益計算書は次のとおりです。

損益計算書 (単位;千円)
  前年同月期 今期
売上高 72000 49000
月初棚卸 1300 1400
仕入高 22000 14000
月末棚卸 1400 1200
売上総利益 50100 34800
販売費及び
一般管理費
48000 36800
営業利益 2100 ▲2000
支払利息 1100 900
経常利益 1000 ▲2900


A、売上が前期に比べて30%以上減少しているというのは、大変に厳しい状況ですね。売上の減少に対しては、原価を押さえて利益率を引き上げるか、経費の削減を図るようにします。


◇経費の削減対策

1、人件費の削減
 貴社の場合には、前期と比較して売上は確かに3割以上、金額にして2300万円下がっていますが、経費(販売費及び一般管理費)も1120万円減少しています。
 通常、売上が減少しても、経費は減少しにくい傾向がありますが、貴社の場合には、1120万円も減少しています。そのおかげで、売上の大幅な減少の割には赤字幅が290万円と、低く押えられています。
 経費削減の内容を細かく検討してみますと、その8割が人件費関係(給料、福利厚生費、通勤費)の減少によるものです。仕事量の減少を察して社員が自主的に退職したり、個人的理由の退職が重なったとのことですが、この人件費の減少が無かったとした場合には、赤字は1000万円を超えていたことになります。

2、家賃の削減
 経費の東の横綱が人件費なら、西の横綱が地代家賃、リース料等の賃借料です。
 貴社は事務所家賃を毎月60万円、年間720万円支払っておられます。この家賃の圧縮を考えます。丁度、契約更新の時期に当たるとのことですので、大家さんに会社の状況に対する理解を求めて、少しでも家賃を下げていただけないものかお願いしてみてはいかがでしょうか。
この数年、家賃は下がっていますから、新築物件の方が家賃も保証金も安いという現象が起きています。より条件の良い物件に移られることを考えるのも一案です。
 移転を考える場合には、事前に賃貸借契約書をご覧になって、解約の場合の条件を確認して下さい。事務所や店舗の賃貸借契約の解約の場合には、通常3ヶ月(短くて1ヶ月、長い場合には半年)前に解約の申し出をするか、予告期間分の家賃を支払うことにより解約ができる旨の契約になっている場合がほとんどですから、契約書によって解約予告期間を確認し、保証金や敷金の償却も確認して下さい。
 保証金が500万円預けてあるからといって、500万円全額が返還されるとは限りません。保証金の1割から2割が減額されて返還されると考えておいたほうがよいでしょう。これは保証金償却と言われるものです。また、保証金の返還される時期にも気を付けて下さい。すぐに返還されない場合もあります。
 以上を確認した上で、大家さん(または仲介の不動産業者)に対して解約の申し入れをします。
 次の物件を探すには、タイミングが大切です。場合によっては、前の事務所と新しい事務所の家賃を重複して支払わなければならないこともあります。
もっとも、家賃の値下げに応じてくれないので、止む無く、家賃の安い物件に移ろうとしたら、不動産屋さんの申し出で、家賃も保証金も下がった新しい条件で、そのままの事務所を契約し直すことになり、差額の保証金が戻ってきたという事例もあります。

3、支払利息の削減
借入金額に比較して支払利息が高いようです。金利が高いものと思われます。貴社のように、前年より売上が10%以上下がっている場合には、世田谷区の緊急融資が受けられます。少しでも、金利負担を軽くするように、金利を見直して下さい。借り換えができるのであれば、借り換えを検討されるのも一考かと思います。


詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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◆1997年3月号

経理課発
 役立つ経営診断


 いよいよ来月から消費税の税率が3%から5%に引き上げられます。消費税の改正は、経営にどのような影響があるのでしょうか。
 今月は、消費税改正への対応についてまとめてみました。 

Q1、当社は経堂で飲食店を開いています。売上高は、年間で3600万円くらいです。今までは、消費税は内税方式でしたが、消費税率が5%に上がるのを機会に外税方式に変え、レジで消費税を別途いただくことにしようかと考えていますが、いかがでしょうか。
また、納付する消費税はどのくらいになりますか。


A1、今後の消費税率アップの可能性等を考慮すると、外税方式に変えて、消費税を明確に表示するのは、良い方法だと思います。

 その場合に、
 1、いつから外税とするのか。
 2、消費税抜きの本来のメニューの値段をいくらにするのか
、の2点がポイントになります。

◇ランチメニューを例に考えます。

現在は消費税込みで850円です。

消費税抜きでは、
 850円÷1.03=825円です。

 本来のメニューの値段825円に消費税25円で850円をいただいていることになります。
 消費税が3%から5%に引き上げられるのですから、これをそのまま価格に上乗せした場合には、メニュー価格は825円となり、レジで消費税等が41円上乗せされ、合計で866円になります。
 外税にした場合には「レジにて別途消費税並びに地方消費税を頂きます。」とか「消費税等は別途」等をメニュー、その他に表示します。
外税方式の場合には、消費税上乗せ後の金額が1円単位になっても構わないと割り切れば、メニューの価格設定は上記の方法でできます。
 また、現在、外税方式の会社の場合には、税率を3%から5%に変更するだけで済みます。レジスターの税率変更が速やかにできるように、システムの確認をしておく必要があります。

<内税方式では>
これに対して、内税方式では、消費税込みの金額で値段設定を考える場合が多いようです。消費税込みで880円とか、780円という具合です。 しかし、最近では、消費税込みで824円と表示している店も見かけます。これなどは、800円に消費税3%で24円で824円になっているということが、消費者にも却って分かりやすいですね。これなら、消費税が5%になった場合にも、840円にメニューを書き換えれば済みます。
 とはいえ、内税方式の場合にはメニューの書き換えが必要になります。 
メニューを変えるとなると、結構お金と手間がかかります。店内に表示してあるメニュー、テーブル毎のメニュー、出前用のメニューも変更しなければなりません。メニュー価格に応じて、消費税を上乗せしようとすると、メニュー全体の大幅な変更となり、メニューの上から紙を張って価格を直すという訳にもいきません。もっとも、メニューの上に紙をはって価格を直すやり方はあまりお勧めはできませんが。
税率アップと同時(4月1日)に、税込価格をアップしたいとお考えでしたら、もうメニューの準備はお済みですか。

《 納付する消費税額は?》
3月決算、簡易課税、課税売上3600万円として試算してみました。
 昨年は 129,600円でした。
 今年は 332,000円です。
 来年は 720,000円の納付となります。

Q2、当社は3月決算のブティックです。昨年の損益は下記のとおりです。今までは、消費税は特にいただいておりません。消費税率が3%から5%になるということですが、消費税の納税額がどのくらい増えるのか心配です。

売上高   3200万円
 売上原価  1760万円  55%
(粗 利   1440万円)  
 役員報酬 500万円 15、6%
従業員給与 262万円  8、2%
減価償却費 48万円  1、5%
 その他経費  588万円
( 経常利益  42万円)  1、3%

A2、貴社の場合には簡易課税を選択しておられますので、課税売上高3200万円として簡易課税方式で納付する消費税を計算してみます。
前期の消費税の納付額は 19,200円でした。
今期の消費税の納付額は 92,000円です。
来期の消費税等の納付は 320,000円になります。  
消費税を上乗せできないと、その分、利益を圧迫することになります。

Q3、当社は建設関係の下請けをしています。昨年の9月30日までに契約している請負契約の場合には、その引き渡しが今年の4月1日以降になっても、消費税率は3%ですむと聞いていますが、元請け会社が9月までに契約を結んだ仕事については、当社が元請けに請求する売上についても、3%になるのでしょうか?

A3、貴社の請け負った仕事の引き渡しが3月31日までに完了する場合には、契約時期にかかわらず、税率は3%です。

 問題は、引き渡しが4月1日以降に行われる請負の場合ですが、元請け業者と顧客の契約が9月30日までに結ばれていたからといって、貴社が元請けと交わした契約が昨年の10月1日以降であれば、貴社が元請けに請求する売上高にかかる消費税は5%になります。


◇消費税の改正にはこんな準備も忘れずに

◆請求の締め日が末日以外の場合には、請求は3月末日までの分(消費税率3%分)と4月1日以降分(税率5%分)とを分けるようにしましょう。

◆3月31日までの販売商品が、4月1日以降に返品された場合には、消費税の計算は3%で行う必要があります。商品管理と売掛金管理がきちんとできる体制を整えておきましょう。

◆本則課税による消費税額の計算には、請求書等の保存と帳簿への記載の両方が必要です。経理担当者だけではなく、現場社員の研修を行うなどして、請求書等の受領、発行に不備が無いようにします。

◆得意先に際して、文書や店舗内掲示等によって、消費税率のアップによる価格変更について理解を求めておきましょう。

◆経過措置の適用になる取り引きについては、その旨を表示(「経過措置により消費税率3%」等)します。

◆3月中に代金を受領していても、納品や役務の提供が4月以降になる場合には、消費税等の税率は5%となります。顧客に対して、その旨を文書等で知らせ確認しておくようにします。

◆レジスターの税率変更の仕方は確認してありますか。

◆コンピュータを導入している会社は、消費税率の改正に対応できるかどうかを確認して下さい。 経過措置の適用のある取り引きや、4月1日前の取り引きの返品等、3%の取り引きが残ります。従って、3%と5%の税率の取り引きが混在することになります。複数税率に対応できますか。


詳細は こちらから小出絹恵税理士事務所にお尋ねください。
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